アフリカ初の関取 大砂嵐「相撲が好き、親方も好き。だから…」

[ 2013年5月29日 11:18 ]

名古屋場所で十両へ昇進することが決まり、大嶽親方(左)と握手する大砂嵐

 大相撲史上初めてアフリカ大陸出身で力士となった大砂嵐(21)=本名アブデルラフマン・シャーラン、エジプト出身=が、7月の名古屋場所で十両へ昇進することが29日、日本相撲協会の番付編成会議で決定した。東京都江東区の大嶽部屋で記者会見し、アフリカ初の関取となるだけに「1人だけというのはうれしい」と、たどたどしい日本語で喜びを語った。

 友人の誘いにより15歳で競技を始め、動画サイトで横綱貴乃花(現親方)の姿を見て、のめり込んだ。相撲部屋に手紙を出すなどの売り込みが実を結び、一昨年10月に大嶽部屋へ入門した。

 イスラム教徒のため、昨年7月の名古屋場所終盤が日の出から日没まで飲食できないラマダン(断食月)と重なった。トイレ掃除など部屋のルールも乗り越えた。「最初はびっくりした。でも相撲が好き、親方も好き。だから我慢できた」と師匠の大嶽親方(元十両大竜)の横で笑みを浮かべた。

 縮れ髪をびん付け油で伸ばし、3月から小さなまげを結い始めた。化粧まわしにはピラミッドなど母国を象徴する柄の刺しゅうも検討しているという。「横綱を目指して、もっと稽古を頑張る」と決意を新たにした。

 大嶽部屋は大鵬部屋の流れをくむ。29日は1月に亡くなった元横綱大鵬の納谷幸喜氏の誕生日。大嶽親方は「大鵬親方が生まれた日に部屋から関取が誕生したのは何かの縁がある」と感慨深げだった。

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2013年5月29日のニュース