松山 最速メジャーV王手!“中傷”乗り越え独走

[ 2013年5月19日 06:00 ]

18番、バーディーパットを沈めガッツポーズを見せる松山

男子ゴルフツアー・日本プロゴルフ選手権日清カップヌードル杯第3日

(5月18日 千葉県印西市・総武CC総武C=7327ヤード、パー71)
 大物ルーキーが史上最速のプロ4戦目でのメジャー初優勝に王手をかけた。4打差の4位で出た松山英樹(21=東北福祉大)が7バーディー、3ボギーの67で回り、通算8アンダーで4打差の単独首位に浮上した。前日ホールアウト後に2罰打を科されるトラブルを乗り越えスコアを伸ばした。首位で最終日を迎えるのは自身初。アマチュアで優勝した11年三井住友VISA太平洋マスターズ以来となる最終日最終組からツアー通算3勝目、プロ2勝目を狙う。
【第3R成績】

 18番グリーンを取り囲んだギャラリーが息をのんだ。奥のカラーからパターで打った第3打。7メートル下り切ったボールがカップに消えた。会心のバーディー締めに、松山はガッツポーズをつくった。

 「(前日に)2ペナがあって複雑な感じでスタートしたけど、その中で良いゴルフができた」。第2日15番の第2打の直前クラブをソール(接地)した際にボールが動いた。気づかずにプレーを続けホールアウト後にモニターで見たギャラリーらの指摘で判明。2打の罰を受けて落着したものの21歳は傷ついていた。

 前夜は「何で気づかなかったのだろう」と自分を責めた。進藤大典キャディー(32)と金田相範トレーナー(30)の慰めも効果はなかった。追い打ちをかけたのがインターネット上の中傷。「棄権すべき」という的外れな書き込みもあり「モチベーションが上がらない」と漏らした。

 愛弟子の緊急事態に前日仙台に戻った東北福祉大の阿部靖彦監督(51)が急きょ会場に駆けつけた。練習場で「昨日の2打もあるから、4アンダーで回ってこい」と声を掛けると「無理っすよ」とようやく笑った。同組で回る大学の先輩・宮里優にも励まされ心がほぐれた。

 「スタート前は気になっていたけど途中から集中してプレーできるようになった」。ボギー発進も3番で3メートルを入れて取り返し6番5メートル、8番2・5メートル、9番3メートル。微妙な距離からバーディーを重ねて32で折り返した。

 前日より風が強くなりメジャー仕様の狭いフェアウエー、深いラフ、速いグリーンは難易度を増したが見事に適応した。1Wを握ったのは4回。第1打で8回も3Wを使い林に入れるリスクを軽減。10番のボギーで後半失速した中日クラウンズ第3日の悪夢が脳裏をよぎったが、好調なパットを武器に恩師の指令通り4つスコアを伸ばした。

 「初のトップで迎える最終日。あすは緊張すると思うので、それをどう力に変えていくかを考えていきたい」。最終日最終組はプロ初。ただ同組の河野とは同じ愛媛県出身で11年12月に地元のコンペで一緒に回り気心も知れている。「4打差はあまり考えない方がいい」と慎重だが最速メジャー優勝はほぼ手中にある。

 ≪1位は藤本の5戦目≫松山が日本プロ選手権で勝てば、プロ転向4戦目での国内メジャー制覇となる。99年の日本ゴルフツアー機構発足後ではこれまでの最速記録は昨年の日本ツアー選手権を5試合目で制した藤本佳則で、1試合更新することになる。09年の日本プロ選手権優勝まで16試合を要した池田勇太が歴代2位。石川遼はまだ国内メジャーには勝っていない。

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2013年5月19日のニュース