稀勢の里 会心!無傷の6連勝“鬼門”把瑠都戦へ弾み

[ 2013年5月18日 06:00 ]

<夏場所6日目>栃ノ心を押し出しで破り全勝を守った稀勢の里

大相撲夏場所6日目

(5月17日 両国国技館)
 大関・稀勢の里が平幕の栃ノ心を押し出しで下し、無傷の6連勝を飾った。場所前には珍しく出稽古で汗を流すなど、初賜杯への意欲を示したが、今場所一番の勝利で7日目の関脇・把瑠都戦に弾みをつけた。5連勝だった平幕・碧山は勢に敗れたが、横綱・白鵬、大関・鶴竜は快勝し、全勝は3人となった。
【取組結果】

 今場所一番の会心の勝利に心も体も弾んでいた。東の花道を引き揚げる稀勢の里は珍しく小走りで支度部屋に帰ってきた。得意の左おっつけで栃ノ心を一気に押し出し、昨年秋場所以来4場所ぶりとなる無傷の6連勝。場所中は多くを語らない男も自然と表情は崩れ「うまくいけたので良かった。(最後の)詰めだけをしっかりしようとした。悪くないと思いますよ」と笑顔で振り返った。

 場所前は先代・鳴戸親方(元横綱・隆の里、故人)の方針で禁止されていた出稽古を解禁した。「いつもと違うことをしないといけないと思った」。豪栄道や妙義龍のいる境川部屋へ出向くなど変化を求める一方、左のおっつけにも磨きをかけた。体調に不安のない今場所はしっかりと腰も落ち、下半身も安定。おっつけにも威力が出ており、北の湖理事長(元横綱)も「稀勢の里は足がスムーズに出ていた」と評価した。

 母校である茨城県龍ケ崎市立長山中は昨年11月に「稀勢の里資料室」を開設し、のぼりや等身大パネルなどを設置している。同中関係者は「早く初優勝してもらいたい。その優勝したときの写真を飾りたい」と悲願の初Vを期待。7日目には約10人の教員が駆けつけ、地元の英雄の背中を押す。

 昨年の夏場所千秋楽。本割で勝てば優勝決定戦に進出できたが、把瑠都に惜敗。その因縁の相手と7連勝がかかる一番で対戦する。天敵を下せば後半戦への勢いもつくが、大関は大銀杏(いちょう)を整えると「あしたからが大事」と静かに決意表明。ぐっと口元を締めた表情は何かをやってくれそうな気配が漂っていた。

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2013年5月18日のニュース