ウッズ2打罰に批判 本来なら過少申告で失格「甘い処分」

[ 2013年4月14日 06:00 ]

第2ラウンドの15番で、ボールをドロップするタイガー・ウッズ

USPGAツアー マスターズ第2日 

(4月12日 米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナルGC=7435ヤード、パー72)
 通算3アンダーの7位で第2ラウンドを終えたタイガー・ウッズ(37=米国)に2打罰が科せられた。主催者が13日に発表した。第2ラウンドの15番でルール違反があったためだが、処分をめぐって疑問の声が上がった。石川遼(21=CASIO)は77で回り通算4オーバーとし、史上最年少出場の関天朗(14=中国)とともに55位で予選を通過したが、藤田寛之(43=葛城GC)は予選落ち。ジェーソン・デー(25=オーストラリア)が通算6アンダーで単独首位に立った。

 15番パー5。ティーショットを右に曲げたウッズは第2打を池の手前に刻んで、残り90ヤードからの第3打でグリーンを狙った。この一打がピンを直撃し、池に落ちた。

 「逆光でよく見えなかったが、いいショットだった」と自身も納得のショットが“池ポチャ”となり、ウッズは消沈した。それでも気を取り直し、打ち直して1メートルに寄せて1パットでボギーでしのぎ、パトロン(観客)の喝采を浴びた。

 ところが、一夜明けた13日、打ち直す際のドロップの処置がテレビ視聴者の指摘で問題視され、スタート前に主催者がビデオで確認し協議。ルールでは、池に入れた後、同じところから打ち直す場合は、できるだけ近いところでなければならない。しかし、実際にドロップした場所は「(元の地点の)2ヤード後ろ」(ウッズ)だったため「誤所からのプレー」と指摘された。

 「誤所」の場合は2打罰を科され、スコアの過少申告で失格となる。しかし、3日目のスタート前にウッズから事情聴取した主催者は、ウッズに違反の意識はなく、その処置をその場にいた競技委員も認めていたとして、11年から新たに追加された新ルールを適用し2打罰にとどめ、失格からは救済した。しかし、ゴルフ専門テレビ局「ゴルフチャンネル」などは「タイガー・ルールだ。前代未聞の甘い処分だ」などと痛烈に批判した。

 第2ラウンドのホールアウト後「60台で回っていた感じ。スコアは今の調子を表していない」と手応えを口にしていたウッズのスコアは通算1アンダーとなり、19位で決勝ラウンドに臨む。今後優勝争いをしても、その裁定が物議を醸すのは避けられそうもない。

 ▽規則26―1ウオーターハザードに入った球の救済 球がウオーターハザード内に見つかったか、あるいは見つかっていない球がウオーターハザードの中にあることが分かっているか、ほぼ確実な場合、プレーヤーは1打の罰のもとに次の中から1つを選んで処置することができる。
 a 初めの球を最後にプレーした所のできるだけ近くで球をプレーする。
 b ホールと、初めの球がウオーターハザードの限界を最後に横切った地点とを結んだ線上で、そのウオーターハザードの後方に、球をドロップ。この場合には、ウオーターハザードの後方であればいくら離れても距離に制限はない。(一部抜粋)

 ▽補足ルール ウッズが失格を免れた根拠とされるのが、11年に追加された規則33―7の補足ルールだ。これは、テレビ視聴者などの指摘でスコアカード提出後に事実が発覚した場合、選手がルール違反を認識していなければ、競技委員との協議次第でプレーを続けることが可能とされる。AP通信は「テレビなどの状況証拠によってルール違反が発見された場合、間違ったスコアカードにサインしても、プレーすることが許される」と伝えている。

続きを表示

この記事のフォト

2013年4月14日のニュース