羽生 バテバテフリーもGP2勝目!「笑顔で終われてうれしい」

[ 2012年11月25日 06:00 ]

後半、バテたことを照れて演技終了後に顔を隠す羽生

GPシリーズ第6戦NHK杯第2日

(11月24日 宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ)
 SP首位の羽生結弦=ゆづる=(17=東北高)が、男子フリートップの165・71点をマーク。合計を自己ベストとなる世界歴代4位の261・03点に伸ばし、出身地の宮城でGPシリーズ2勝目を挙げた。251・51点で2位だった高橋大輔(26=関大大学院)とともにロシア・ソチで開催されるGPファイナルの出場権を獲得。同大会には小塚崇彦(23=トヨタ自動車)、町田樹(22=関大)を加えた過去最多4人が挑む。

 大声援を浴びながら、両手で顔を覆った。手の隙間からのぞいたのは、はにかむような笑み。自己ベストを9・97点も更新する261・03点。世界歴代4位の高スコアで、羽生が大会初VとGPファイナルの出場切符を勝ち取った。

 「皆さんの応援のおかげ。笑顔で終わることができてうれしい」。冒頭の4回転トーループを完璧に決め、続く4回転サルコーも何とか踏ん張った。序盤は快調。ところが、後半は一転して冷や汗の連続となった。3回転ルッツで転倒し、スピンでは途中で回転が止まって手をつき、最低難度のレベル1。「最後は疲れちゃいました」。それでも、SPだけでなくフリーでもエース・高橋を上回った。

 仙台市出身。昨年3月11日の東日本大震災で自身も被災し、避難所生活も経験。この日午前に宮城県沖を震源とする震度4の地震があり、「嫌な思いが胸をかすめた」という。だが、そのことであらためて実感したこともあった。震災後スケートに打ち込めたのは、いろんな人の支えがあったから。だからこそ、感謝の気持ちは忘れない。この日も演技を終えるとファンに「ありがとうございました」と頭を下げ、リンクにも触れて「ありがとうね」と言葉をかけた。

 10月のスケートアメリカではSPで首位発進したが、フリーでジャンプの転倒を連発し2位に終わった。大会後、今季から師事するオーサー・コーチの拠点のカナダ・トロントに滞在し、来る日も来る日もフリーの滑り込みを行ってきた。「何回もフリーを練習してきたし、成長できたかな」と胸を張った。

 ソチで行われるファイナルには、日本男子4人が出場する。「アウェーじゃなくて、ホームみたいな感覚でできる。凄くうれしいですね」。17歳の前途には無限の可能性が広がっている。

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