性的関係は事実も「合意の上」…内柴被告、初公判で無罪主張

[ 2012年9月13日 06:00 ]

準強姦に問われた初公判で無罪を主張した内柴被告

 指導していた大学の女子柔道部員=当時(18)=に遠征先で性的暴行をしたとして、準強姦(ごうかん)罪に問われたアテネ、北京両五輪の柔道金メダリスト内柴正人被告(34)の初公判が12日、東京地裁(鬼沢友直裁判長)で開かれた。被告は「合意の上」などと無罪を主張。検察側は冒頭陳述で、被害者が抵抗して叫ぶ声を、被告はテレビの音量を上げて、かき消したなどと指摘した。

 五輪の金メダリストが被告となる異例の法廷。白いポロシャツにベージュのズボン姿で出廷した内柴被告は、筋肉がはち切れんばかりに盛り上がり、栄光の面影を残しながら逮捕前よりふっくらした印象。慣れない場に戸惑うような様子で傍聴席を見回した後、弁護人の前に座った。

 起訴内容の認否で、弁護人から渡された書面を両手で持ち、よどみない口調で朗読。「性的関係を持ったことは事実。ただ酔って寝ていたのではなく間違いなく起きていた。合意の上での行為です」。時折かすれる声で、無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で犯行前後の詳細を述べた。

 内柴被告は焼き肉店で女子部員ら数人と飲酒。移動したカラオケ店で酔いつぶれ眠り込んだ被害女性をかついで宿舎のホテルに連れ帰り、寝ている間に乱暴したと主張。起きた被害女性が「キャー」「何してるんですか」と大声で叫ぶと、テレビのリモコンを手に取り音量を上げたり、口をふさいだりした。その後も、行為を他言しないよう求めたほか「お前、犯されてるんじゃないよな?」と言い聞かせるようにして部屋を去ったという。

 被害女性も出廷し、検察側に着席。傍聴席との間に遮蔽(しゃへい)板が設置され、反応をうかがうことはできなかった。

 今後、12月27日の結審まで7回の公判期日が指定されており、判決は年明けの予定。

 【起訴内容】起訴状によると、内柴被告は2011年9月20日未明、被告がコーチを務めていた九州看護福祉大(熊本県玉名市)女子柔道部の合宿に同行した際、宿泊先の東京都八王子市のホテルの部屋で、酒に酔って熟睡し抵抗できない部員を乱暴したとしている。

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2012年9月13日のニュース