ダメ押しNG 日馬富士、初日から綱品格審査

[ 2012年9月8日 06:00 ]

本場所用の黒の締め込みで稽古する日馬富士

 日本相撲協会は7日、東京・両国国技館で秋場所(9日初日、両国国技館)の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。3度目の綱獲りとなる大関・日馬富士(28=伊勢ケ浜部屋)は初日に新小結・碧山(26=春日野部屋)と対戦する。全勝優勝を果たした先場所の対戦では、ダメ押しをして注意を受けた経緯があるだけに、力量だけでなく、品格も問われる一番となりそうだ。

 三度目の正直で横綱昇進を狙う日馬富士が初日から異例の品格審査を受けることになった。初日の相手は先場所の初対戦で一蹴した碧山に決定。この日稽古後には「楽しみな相手。一生懸命やるだけ」と気持ちを高ぶらせていたが、“難敵”は土俵下に潜んでいた。

 取組編成会議後、鏡山審判部長(元関脇・多賀竜)は稽古場などでもダメ押しを繰り返す日馬富士の土俵態度に言及した。くしくも碧山戦は前回の対戦で、勝負がついた後に両手でダメ押し。土俵下の松ケ根審判長(元大関・若嶋津)から前代未聞の公開説教を食らった経緯があるだけに「これから頂点に上るのに、いらだってダメ押ししているようではいけない。手本になってもらわないと」と物言いをつけた。

 審判部から品格をチェックされること自体異例だが、本人はどこ吹く風だ。東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で行った朝稽古でも幕下力士にダメ押しするシーンがあった。幕内で2番目の軽量(133キロ)というハンデを乗り越えるため、闘志を前面に出して戦うのが日馬富士のスタイルという側面もある。先場所のダメ押しについても「そういうのは気にしないで一生懸命やるだけ」と言い切る。しかし、横綱の免許状には「品格、力量抜群につき」という文言もあり、最高位を担う力士には力量以上に優れた品格が求められるのも事実だ。

 審判部や横審は「13勝以上の優勝」が昇進の目安になるという見解だが、ダメ押しやガッツポーズで物議を醸した朝青龍という前例もあるだけに、今場所の土俵態度によっては昇進のハードルが高くなる可能性さえある。まずは碧山戦が第1次審査の場となる。

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2012年9月8日のニュース