レスリングしてもいいのか…悩んだ23歳、被災所属先に報告を

[ 2011年9月17日 08:57 ]

女子67キロ級3位決定戦でアリーナ・マヒニアを破り、3位に入った井上佳子
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 レスリングのロンドン五輪出場枠を懸けた世界選手権第5日は16日、トルコのイスタンブールで行われ、非五輪階級の女子67キロ級で23歳の井上佳子(クリナップ)が3位決定戦でアリーナ・マヒニア(ウクライナ)に2―0で勝ち、銅メダルを獲得した。

 井上が4月から所属するクリナップは東日本大震災で福島県の主要工場が被災。それでも練習を続けさせてもらい、5月のアジア選手権で優勝した。報告のために6月に工場を訪れて津波の被害を目の当たりにし、「レスリングをしていてもいいのか」と感じたという。

 レスリングで活動することに責任感が増したという23歳は、3度目の出場で初めてのメダルを獲得。「メダルまで長かった。やっと取れてうれしい。報告に行きたい」と感慨深げだった。

 ◇井上 佳子(いのうえ・よしこ=女子67キロ級)06年に世界ジュニア選手権金メダル、全日本選手権初優勝。世界選手権は07年、09年にともに5位。5月のアジア選手権優勝。至学館大出、クリナップ。161センチ。23歳。山口県出身。(共同)

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