今大会ワースト失点…カーワンJAPAN NZに惨敗

[ 2011年9月17日 06:00 ]

<ニュージランド・日本>ノヌー(左)にくらいつくリーチ

ラグビーW杯1次リーグA組 日本7―83ニュージーランド

(9月16日 ワイカト競技場)
 ラグビーの日本代表は16日、ニュージーランドのワイカト競技場で世界ランク1位のニュージーランドと対戦し、7―83と完敗を喫した。同13位の日本は21日のトンガ戦(ファンガレイ)をにらみ1・5軍のメンバーが先発。前半4分の先制トライを皮切りに13トライを奪われたが、後半18分にWTB小野沢宏時(33=サントリー)が意地のトライを返し、零敗は免れた。2連敗で初の決勝トーナメント進出は厳しくなったが、最強布陣で残りのトンガ戦とカナダ戦(27日、ネイピア)で2連勝を狙う。
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 底冷えのする中、初戦フランス戦で善戦した勢いは完全に消えた。前半4分に先制トライを奪われると、15人が一体となったニュージーランドの速くてワイドに振る攻撃に日本の防御網はズタズタに切り裂かれた。最多失点145を記録した95年のW杯以来の対戦で、今大会でナミビアの49失点を超える最多失点と最多失トライとなった。「接戦に持ち込んで日本の成長を見せたい」と意気込んでいたカーワン・ヘッドコーチも「1対1のタックルミスが重なった。次に切り替えるしかない」と母国の猛攻にさらされて肩を落とした。

 必勝を期す次戦トンガ戦まで試合間隔はわずか中4日。カーワン・ヘッドコーチは初戦のフランス戦から先発を10人入れ替える1・5軍のメンバーを組んだ。これが敬意を払っていないとみられ、怒りのニュージーランドは本気で向かってきた。相手の猛攻を受け前半だけで6失トライ。日本は前半25分に14次攻撃を繰り出し、0―59の後半にWTB小野沢がトライを返し意地を見せた。初戦で負傷離脱したホラニに代わりNo・8に入った菊谷主将は「やはりニュージーランドは強かった」と声を絞り出した。

 しかし、下を向いている暇はない。目標の2勝に向け、勝負はこれからだ。15年の次回イングランド大会に自動的に出場できる3位以内に入るには、トンガ戦とカナダ戦に連勝するのが絶対条件。それが実現できれば、今回のような弱小国に厳しい日程も避けられ、8年後に日本で開催されるW杯へ弾みをつけられる。次戦は今回温存したSH田中、SOアレジ、CTBニコラスらが出場予定。「今から私たちのW杯がスタートします」と選手にカツを入れたカーワン・ヘッドコーチ。91年のジンバブエ戦以来20年ぶりの勝利と初の2勝に向け、とにかくやるしかない。

 ▼フランカーマイケル・リーチ オールブラックスはテレビで見るより大きくなかったがサポートの速さが違う。日本は密集戦に人数をかけすぎて、いつも人が足りない状態だった。

 ▼SH日和佐篤 テンポを意識し速くボールをさばいた。オールブラックスは速いだけでなくうまさもあった。残り2試合は勝ちにこだわる。

 ▼ロック大野均 あらためて考えると惜しいプレーが多い。オールブラックスは個々の能力が非常に高い。日本は組織的に止めないと…。

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2011年9月17日のニュース