カーワンジャパン劇的逆転V!フィジーに17年ぶり勝利

[ 2011年7月14日 06:00 ]

初優勝し、喜ぶ日本の選手たち(C)長尾亜紀・共同

ラグビーパシフィック・ネーションズ杯 日本24-13フィジー

(7月13日 フィジー・ラウトカ)
 世界ランク13位の日本代表は同12位で前回W杯8強のフィジー代表に24―13で逆転勝ちし、初優勝を果たした。トンガと勝ち点10で並んだが、当該対戦で優勝を決めた。日本はフィジーが2人目の退場者を出した直後の後半23分にフッカー堀江のトライで17―13と逆転。終了間際にCTB今村がチームで4個目のトライを挙げ、ボーナス勝ち点1を奪取した。日本がフィジーに勝つのは94年以来17年ぶりで、アウェーでは初めて。W杯(9月9日開幕、ニュージーランド)へ弾みのつく優勝となった。

 桜のジャージーが執念のトライを奪った。後半40分を過ぎ、ロスタイムも8分。4点リードの日本は勝ち点1を得られる4つ目のトライを狙い、最後は今村がインゴールに駆け込んで劇的なトライを決めた。07年の就任から6度目の挑戦でフィジーを倒し、大会初優勝を飾ったカーワン・ヘッドコーチ(HC)は「勇気あるプレーを示した選手全員にお礼を言いたい」と顔を紅潮させた。

 劣勢だった前半を0―8でしのいだ。カーワンHCはハーフタイムで「走ってボールをキープすれば逆転できる」とゲキを飛ばした。フィジーが前半20分と後半19分に退場者を出したため数的有利となったが、後半は連係の取れたライン攻撃から4、19、23、48分のトライで24点の猛攻。フランカー菊谷主将は「速いテンポでプラン通りにトライを取れた。日本のスタイルが通じた」と胸を張った。

 今年の大会は日本で開催予定だったが、福島第1原発事故の影響で初戦のサモア戦以外はフィジーで行われた。ホームのサモア戦に15―34で完敗すると、カーワンHCは第2戦のトンガ戦ではロッカールームの壁に「武士道」の文字が書かれた紙を貼って士気を高めた。中3日で挑んだフィジー戦は先発を9人入れ替え。指揮官から「W杯の選考試合」とあおられた選手が奮起し、初優勝に結びつけた。

 W杯8強を目指す3カ国を相手に2勝。カーワンHCは「日本にとって大きな優勝だ。誇らしい」と声を張り上げた。W杯の1次リーグでフランス、ニュージーランド、トンガ、カナダと対戦する。菊谷主将は目標をトンガとカナダの2勝から「3勝して世界を驚かせたい」と上方修正した。初戦のフランス戦まであと58日。南国でたくましくなったフィフティーンが、W杯で対等に戦える実力を世界に示した。

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2011年7月14日のニュース