師匠の友綱親方 愛弟子の快挙に「感無量」

[ 2011年7月14日 06:00 ]

<大相撲名古屋場所 4日目> 魁皇は、豊ノ島を破り九重親方の持つ通算勝利記録1045勝に並び大声援の中ひきあげる 

魁皇 史上最多の通算1045勝達成

 館内の名古屋場所担当部長席で愛弟子の相撲を見守った師匠の友綱親方(元関脇・魁輝)は快挙達成の瞬間、思わず身を乗り出した。3連敗してタバコの本数も増えていただけに「ほっとした。千代の富士という強い人に並んだというのは感無量」と笑みをこぼした。

 魁皇は親方になって初めてスカウトした弟子だ。現役時代、福岡県直方市の相撲大会に出向いた際に小学5年だった魁皇に稽古をつけた。「これは大物だ」。4年後、別の部屋からオファーが来ているのを知るや、すぐさま両親に「20歳までに一人前にします」と頭を下げ、説得した。

 入門後、魁皇は師匠の言いつけに従ってきたが、1度だけ背いたことがある。9度目のカド番だった06年春場所。6日目で4敗を喫した魁皇に師匠が「もういいか?」と引退を促すと、魁皇は「最後まで取らせてください」と抵抗した。以後、師匠は魁皇に進退を一任しているという。

 「そう遠くはない」という引退後、部屋付き親方として2年間教育する方針。「自分のことだけでなく、周りに気を使えるようにならないと」。偉業を達成しても、師匠にとってはまだまだ可愛い弟子のままだ。

続きを表示

2011年7月14日のニュース