ジョコビッチ初V!“天敵”ナダルから初勝利

[ 2011年7月4日 06:00 ]

ウィンブルドン男子シングルスで優勝し、優勝カップを掲げるジョコビッチ

ウィンブルドン選手権最終日

(7月3日 英ロンドン・オールイングランドクラブ)
 男子シングルス決勝で第2シードのノバク・ジョコビッチ(24)が第1シードのラファエル・ナダル(25)を3―1で下し、今大会初優勝を果たした。4大大会ではナダルから6戦目にして初勝利を挙げ、全豪オープンの2勝に続いて3勝目。4日発表の世界ランクでナダルから1位の座を奪うことが決まり、花を添えた。ナダルは2年連続3度目の優勝を逃した。

 世界ランクでナダルから1位の座を奪ったジョコビッチが芝の王者に輝いた。今季負けなしだったナダルに緩急をつけたショットでミスを誘ってラリー戦を支配。最後はナダルのショットがアウトになると、コートの上で仰向けになった。「生涯最高の日になった。子供の頃から夢だったウィンブルドンで勝てて最高の気分だ」と喜んだ。

 今季は開幕から絶好調で、全豪オープンを含む7度の優勝を重ねて大会に臨んだ。「ここ数年間はナダルやフェデラーに大舞台で負けていた。でも今なら勝てる」と自信をみなぎらせ、聖地の決勝でも躍動した。対戦相手が自信を持って放ったショットに追いつき、前後の揺さぶりに鋭く反応。第1、2セットの3度のブレークポイントをものにして勢いに乗り、主導権を握った。

 この日の勝利で今季48勝1敗となった。飛躍の要因は体質改善にある。昨年まで試合の後半にたびたび失速した原因が、小麦に含まれるタンパク質グルテンのアレルギーによる呼吸困難だったことが判明。症状を抑えるためにパスタやパンを断つと、体重が減って切れが増した。高い機動力を長く保てるようになり、3セット先取で争う4大大会で初めてナダルを破った。

 当時はテニスが盛んではなかったベオグラードで競技を始め、90年代に母国を包んだ戦火の中でも「ウィンブルドンの決勝に立ちたい」という夢を抱き続けた。待ち望んだ初めての舞台は、歓喜の瞬間で幕を閉じた。

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