1打及ばず…室田、日本人男子初の快挙逃した

[ 2011年5月31日 06:00 ]

最終ラウンド、8番のバーディーパットで、ボールの行方を見つめる室田淳

 USPGAチャンピオンズツアー・全米プロシニア選手権最終日は29日、米ケンタッキー州ルイビルのバルハラGC(7297ヤード、パー72)で行われ、室田がたった1打の差で快挙を逃した。55歳の室田淳(サメジマコーポレーション)は6バーディー、6ボギーの72とスコアを伸ばせず、通算9アンダーの3位。日本人男子では初めてのメジャー制覇はならなかった。通算10アンダーのトム・ワトソン(61=米国)がプレーオフの末、この大会10年ぶり2度目の優勝を果たした。

 決めればプレーオフ。最終18番パー5で2オンに成功した室田は15メートルのイーグルパットにすべてを懸けた。慎重にラインを読んで打ったが、カップには届かなかった。バーディーパットを沈めたものの、1打及ばず3位。日本人としては77年の全米女子プロを制した樋口久子以来、男子としては初めての海外メジャー優勝を逃し「やっぱり最終日のパットは難しい」とため息をついた。

 第1ラウンドから首位を快走。第3ラウンドも首位タイで終えた。だが、最終日は満身創痍(そうい)の状態でのプレーだった。前日のラウンド前練習で痛めた背中だけでなく、この日は脇腹や肘なども痛み始めた。シニアのメジャー大会の中でも随一の歴史を誇る大舞台。優勝争いの重圧の中、万全でない状態で戦うのは厳しかった。首位に並んで後半に入ったが11、12番のボギーで後退。さらに15番で1メートルのパーパットを決められなかったのが響いた。この日のパット数は30。予選ラウンドの2日間は26、24だったが、決勝ラウンドで体に不安を覚えてからは勝負どころで決まらなかった。

 それでも最後まで諦めない姿勢を貫いた。気性が激しいことで知られる室田だが、3月の東日本大震災後は「1年や2年での復興は難しい。ゴルフ界で長い目で見て力になりたい。今年からは、遼君のようにいつも前向きな気持ちを大事にしている。被災地の方たちも前向きに頑張ってほしい」と話していた。言葉通りプラス思考で回った72ホールだった。

 国内ツアーではレギュラーとシニアの両ツアーを掛け持ちしている。「(結果は)残念だけど、自分のゴルフに明かりが見えてきた。また米国に帰ってくる」。来年大会でのリベンジを誓った55歳だが、今週は日本ツアー選手権に出場予定。まずはレギュラーの国内メジャーで力を発揮する。

 ≪今後は出場資格なし≫50歳以上を対象とする米シニアのチャンピオンズツアーがメジャー大会としているのは(1)トラディション(2)全米プロシニア選手権(3)全英シニアオープン選手権(4)全米シニアオープン選手権(5)シニア・プレーヤーズ選手権の5大会。室田は今回は昨年の国内シニアツアー賞金ランク2位の資格で出場。今後の大会については、現段階では出場資格は持っていない。

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2011年5月31日のニュース