八百長の引退、退職届 谷川親方除く22人が提出

[ 2011年4月5日 19:11 ]

 日本相撲協会は5日、八百長に関与したとして1日の臨時理事会で引退勧告を受けた幕内徳瀬川ら力士19人全員の引退届を受理したと発表した。この日が提出期限だった。退職勧告を受けていた谷川親方(元小結海鵬)はこれを拒否した。

 同親方は所属する東京都墨田区の八角部屋で記者会見し「14年間の現役生活で一度たりとも八百長相撲を取ったことはない。退職届を提出することは認めたことになる」と関与を否定したうえで、退職届を出さないことを表明した。

 停職2年の竹縄親方(元幕内春日錦)と出場停止2年の幕下恵那司の退職、引退届も受理。既に引退届を受理されている十両千代白鵬を含む処分対象者23人のうち、谷川親方を除く22人には退職金が全額支給される。

 相撲協会の放駒理事長(元大関魁傑)は、引退勧告を受け入れた19人について「重い決断だったと思う。将来があるから、今後はしっかりと自分の人生を歩んでほしい」と述べた。谷川親方については「残念だが、自分の思いというものがあるのだろう」と話した。理事長は勧告に従わない場合は除名か解雇とする考えを示しており、6日の臨時理事会で谷川親方の新たな処分を協議する。

 谷川親方は臨時理事会後「法的手段に訴える」と話していたが、5日は「まだ気持ちの整理がついていないので、これから考える」とした。

 東京・両国国技館を訪れた力士らは八百長への関与を依然として否定。「納得できない」と涙を流す力士もいたが、今後の生活面への考慮や、師匠に迷惑をかけられないとの理由から引退勧告に応じた。

 ▼放駒理事長(元大関魁傑)の話 協会の処分をよく受け入れてくれた。自分自身に対して重い決断だったと思う。(谷川親方の勧告拒否は)残念だが、自分の思いというものがあるのだろう。

 ▽親方=1人

 竹縄(元幕内春日錦、千葉、春日野)

 ▽幕内=6人

 徳瀬川(モンゴル、朝日山)白馬(モンゴル、陸奥)春日王(韓国、春日山)光龍(モンゴル、花籠)猛虎浪(モンゴル、立浪)琴春日(福岡、佐渡ケ嶽)

 ▽十両=9人

 将司(青森、入間川)豊桜(広島、陸奥)境沢(埼玉、尾上)霜鳳(新潟、時津風)旭南海(鹿児島、大島)安壮富士(青森、伊勢ケ浜)若天狼(北海道、間垣)清瀬海(愛知、北の湖)千代白鵬(熊本、九重)

 ▽幕下=5人

 保志光(モンゴル、八角)十文字(青森、陸奥)霧の若(熊本、陸奥)白乃波(熊本、尾上)恵那司(岐阜、入間川)

 ▽三段目=1人

 山本山(埼玉、尾上)

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2011年4月5日のニュース