北の湖、九重、陸奥の3理事は事実上の“解任”

[ 2011年4月1日 06:00 ]

携帯電話を手にする北の湖親方

 大相撲の八百長問題で、特別調査委員会から弟子の八百長関与を認定された北の湖(元横綱)、九重(元横綱・千代の富士)、陸奥(元大関・霧島)の3理事が辞任することが31日、分かった。1日に東京・両国国技館で開かれる臨時理事会で、八百長関与が認定された力士、親方とその師匠の処分を決めるが、この3理事には重い処分が下されるとみられていただけに、事実上の“解任”といえる。協会の看板理事の辞任により、全理事の総退陣に発展する可能性も出てきた。

 一連の八百長問題で、理事会メンバーも厳しい決断を迫られることになった。関係者の話によると、弟子の関与を認定された元理事長の北の湖、次期理事長の有力候補と言われていた九重と陸奥の3理事が、この日までに辞任する意向を固めたことが分かった。

 相撲協会の寄付行為では、役員(理事、監事)の解任は理事会と評議員会の4分の3の議決が必要だと定められている。全容解明を目指す特別調査委員会は、関与力士、親方に加え、その師匠の監督不行き届きも指摘。各師匠は降格や解雇などの厳罰にすべきとの声が高まり、最高議決機関である理事会のメンバーにも責任追及の声が及んでいた。最終的に辞任という形で責任を取ることになった3理事だが、すでに降格処分が下されることは確実とみられていただけに事実上の解任といえる。十両・清瀬海の師匠、北の湖、八百長関与を認めた十両・千代白鵬の師匠・九重の両理事は役員待遇に、幕内・白馬ら弟子4人が認定された陸奥理事は委員となるとみられる。

 北の湖理事はこの日、両国国技館で特別調査委員会から聞き取り調査を受けた。クロと認定された弟子の清瀬海は昨年5月に元師匠・木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)の不祥事で、預かり受けた力士でもある。清瀬海は関与を否定しているが、調査委は他の力士の証言をもとに新たに今年1月の初場所でも八百長を行ったと認定した。だが、清瀬海は初場所の件については一度も聴取を受けていないもようで、北の湖理事も「まずは本人の言い分を聞くのが常識だ。疑問点はいっぱいあるし、私は不本意に思う」と不快感あらわ。辞任を決意するまでの複雑な心境をうかがわせた。

 相撲協会の看板理事でもあった3理事の辞任という異常事態。相撲協会始まって以来の不祥事でもあり、弟子が八百長に関与したかどうかにかかわらず放駒理事長(元大関・魁傑)を含む全理事への責任問題に発展することは必至。全12理事総辞職という可能性も浮上してきた。

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2011年4月1日のニュース