八百長関与者にも給与…放駒理事長「まだ処分が終わってないので」

[ 2011年2月9日 20:41 ]

 八百長問題に揺れる日本相撲協会は9日、東京・両国国技館で臨時の理事会を開き、3月に大阪府立体育会館で開催予定だった春場所の中止に伴う諸問題を協議し、十両以上の関取や親方衆らへ給与を通常通り支給することを決めた。八百長の実態解明を進める特別調査委員会が関与を認定した十両の千代白鵬や清瀬海、竹縄親方(元幕内春日錦)も含まれる。

 放駒理事長(元大関魁傑)は「(関与者への支給がいいのか)考えたが、まだ処分が終わってないので」と説明した。

 理事長は理事会後に開かれた部屋持ち親方で構成する師匠会で、八百長問題で名前の挙がった14人への特別調査委員会の調べがはかどっていない現状を受け、調査への協力を強く申し渡すように各師匠に伝えた。当分の間は稽古を東京の各部屋で行うなど、行動の自粛を通達する一方、老人ホームなどへの慰問やボランティア活動は積極的に実施するよう伝えた。

 初場所の成績に基づいて1月26日に編成された春場所用の番付を、発表日となるはずだった28日から適用する。既に再十両として発表された幕下の玉飛鳥(片男波部屋)益荒海(阿武松部屋)磋牙司(入間川部屋)は、同日から関取待遇。番付そのものを公表せず、内部資料として作成する早見表を各部屋に配る。

 相撲協会は、春場所を開催できないことで入場料収入など十数億円の損失をこうむるとみられるが、場所ごとに各部屋に支給する力士1人当たり11万5千円の部屋維持費や、幕下以下の力士への本場所手当などは支払う。能力給にあたる「褒賞金」は支給しない。

 卒業シーズンと重なって1年で最も入門者が多い春場所前の新弟子検査は、第1検査を場所を大阪から両国国技館に移し、予定通り3月5日に実施する。体の小さな入門希望者が対象の第2検査は場所、日時とも予定と変わらず2月15日に両国国技館で行う。

続きを表示

2011年2月9日のニュース