魁皇8連勝!日本人力士Vの期待高まる

[ 2010年11月23日 06:00 ]

<大相撲九州場所9日目>阿覧を万全の形で寄り切って8連勝の魁皇(右)

 大相撲九州場所9日目は22日、福岡国際センターで行われ、ベテラン大関・魁皇が、小結・阿覧を万全の形で寄り切って8連勝。9日目にして早くも勝ち越しを決め、06年初場所の栃東(現・玉ノ井親方)以来となる日本人力士による優勝への期待も高まってきた。2日目に連勝記録が「63」で止まった横綱・白鵬は嘉風をはたき込み、大関・把瑠都も栃ノ心を寄り切ってともに1敗をキープ。1敗力士は白鵬、把瑠都、魁皇に加えて平幕の豊ノ島の4人となった。

【取組結果


 得意の右上手をつかんだ瞬間に、もう勝負は決まったも同然だった。大声援を浴びながら、左四つ右上手の魁皇が阿覧を寄り切って早くも勝ち越し。1場所での8連勝は4年前の九州以来となるだけに本人も驚きの表情だ。

 「自分でも不思議なくらい。まさかこんなに早く8番勝てるとは思っていなかった…」
 88年夏場所に初めて番付に載ってから通算99回目の勝ち越し。魁皇自身は「そんなこともあったのか」と軽く受け流したが「まあ勝ち越しは落ち着くし、これからも思い切っていける」と気持ちは乗っている。

 今月1日の番付発表前に故郷の福岡県直方市に戻り、今年5月に84歳で亡くなった父方の祖母・古賀千賀子さんの墓前で手を合わせてきた。「子供の頃よく遊んでくれた思い出がいっぱい」と話すが、福岡で行われた告別式には夏場所中で顔を出せず、心残りがあった。「しっかりと手を合わせ、帰ってきましたと報告した」。故郷に戻って心を整え、今月1日に宿舎入りしてからは、どんな悪天候でも当然のように稽古場に下りて体を動かしている。

 白鵬の連勝がストップし、九州場所の焦点は賜杯争いだけ。38歳の魁皇が優勝すれば年6場所制が定着した58年以降で史上最年長Vとなる。しかも、06年初場所を制した栃東以来となる日本人力士の優勝だ。現在、国技館に飾られている優勝額の日本人力士は栃東たった1人。それも来年秋場所には撤去される。優勝について「オレはそんなん全然意識してないよ」と言うが「九州で1度くらいは優勝したい?」と尋ねられると「1度はね」とポツリ。来年初場所を綱獲り場所にできるかどうか…。いまや角界一の声援を浴びる大関の活躍から目が離せなくなってきた。

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2010年11月23日のニュース