おかえりウッズ!大声援の中で練習ラウンド

[ 2010年4月6日 06:00 ]

練習場に入るタイガー・ウッズ

 8日開幕の今季メジャー第1戦マスターズ(米ジョージア州オーガスタ)で復帰するタイガー・ウッズ(34=米国)が5日、会場のオーガスタ・ナショナルGCでパトロン(マスターズのギャラリー)を前に練習ラウンドを行った。これまでに謝罪会見やテレビインタビューはあったが、ファンの前に姿を見せたのは昨年11月の不倫騒動発覚以来初めて。スキャンダルを非難するようなヤジもなく、温かい声援を受けながらプレーした。

 米国のファンはスーパースターの帰還を待っていた。ウッズは午前8時にフレッド・カプルス(50=米国)と一緒に1番ティーグラウンドに登場。パトロンからは不倫騒動を揶揄(やゆ)するヤジは聞かれず、大きな拍手がわき上がった。
 「Welcome back’Tiger!(おかえり、タイガー)」。声をかけられたウッズは「Thanks(ありがとう)」と言って会釈をしたり、右手を上げて温かい声援に応えた。
 早朝からつめかけたパトロンがフェアウェーの両サイドをぎっしりと埋め、その中でウッズはカプルスと和気あいあいとプレーした。
 前日の4日も親友のマーク・オメーラ(53=米国)と9ホールを回った。報道陣だけが入場可能な大会前の日曜。ウッズが練習場に現れた途端に、待ち構えていた5台のテレビカメラと多くのカメラマンが一斉にレンズを向けた。
 ウッズはめったにかけないサングラスをかけ、口からあごにかけてひげも伸びていた。コースで報道陣の前に姿を見せたのは昨年11月15日のオーストラリアン・マスターズ最終日以来140日ぶり。クリーンなイメージの強かったウッズは前代未聞のスキャンダルを経て“ちょい悪”ゴルファーになって戻ってきた。
 オメーラは「この4、5カ月はタフなものだったろうが、ここは彼がいるべきコースだ。人間として父として良くなろうとしている」とウッズの気持ちを代弁し、心配されたプレーについても「スイングはとてもいい。彼は戦うことが好きだし、勝つことも好き。十分、優勝争いする力がある」と太鼓判を押した。
 4日の練習ではウッズの周囲を警官とボディーガード約15人が取り囲み、撮影可能エリアも午後から大幅に制限されるなど大会側はピリピリムード。今後も例年以上の警備スタッフを動員し、不測の事態に備えている。まずは無難に滑り出したとはいえ、ウッズ狂騷曲はまだ始まったばかりだ。

 <選手もウッズ復帰を歓迎>背後からウッズに声をかけられたケーシーは「ここで何度も彼に会っているけれど、きょうは驚いたよ」と苦笑い。会話の内容は明かさなかったが「練習で10球打ってすぐにラウンド。もう出来上がっていたね」と仕上がり具合の早さに感嘆していた。同じくウッズと会話を交わしたフューリクも「例年より到着時間が早かった。でも彼が戻ってきたのはいいことだ」と復帰を歓迎していた。

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2010年4月6日のニュース