有村 初メジャーも耐えてトップ10入り

[ 2010年4月6日 06:00 ]

最終ラウンド、笑顔で18番グリーンに向かう有村智恵

 USLPGAツアーのクラフト・ナビスコ選手権最終日は4日、米カリフォルニア州ランチョミラージュのミッションヒルズCCダイナショアコース(6702ヤード、パー72)で行われ、大会初挑戦の有村智恵(22=日本ヒューレット・パッカード)が3バーディー、3ボギーの72で回り、通算3アンダーの9位に入った。日本人では02年の福嶋晃子(5位)以来8年ぶりのトップ10入りで、来年の出場権を獲得した。ヤニ・ツェン(21=台湾)が通算13アンダーで08年全米女子プロ以来のメジャー2勝目。賞金ランクでは宮里藍を抜いてトップに躍り出た。

 世界との距離をはっきりと感じ取れた4日間だった。初めての米本土での試合、しかもメジャー。有村は雰囲気にのまれることなく、芝質などの違いにも対応した。「ここに来るまではトップ10で上がれるとは思ってなかった。4日間でこんなにも成長できるものかと思う」と日焼けした表情に充実感がにじんだ。
 3日目に大会タイ記録のハーフ30をマークして9位に浮上した。最終日は2番のパー5で第3打を50センチにつけてバーディー先行。次の3番で2打目をバンカーにボギーを叩いて、一進一退の展開となったが、パープレーで耐え抜いて、日本人では8年ぶりのトップ10入りを果たした。
 6702ヤードと距離があり、粘りのあるラフ、読みにくい風が選手を苦しめるモンスターコース。上位にはパワーヒッターが並び、日本人選手には不利と言われてきたが「どんなに同組の選手に(飛距離で)置いていかれても、全く気にならなかった。フェアウエーに置いておけばいいやと思っていた」と自分のスタイルを貫いた。4日間のフェアウエーキープ率は7割を超え、正確なショットで十分勝負できることを示した。
 ただし、満足してはいない。最終18番パー5でバーディーが奪えず、「悔しい思いがいっぱい。悔しい」と何度も繰り返した。自分よりも年下のヤニ・ツェンに10打差もつけられたことにも「何が違うかをしっかり考えたい。納得していてはいけない」と新たな闘志を燃やした。次戦は9日開幕のスタジオアリス女子オープン(兵庫・花屋敷GC)。「優勝を狙ってどんどん頑張っていきたい」と大舞台で手にした自信と課題を胸に日本に舞い戻る。
 <ヤニ・ツェン混戦抜け出す>1打差2位で出たヤニ・ツェンは2番パー5でイーグルを奪い「きょうは私の日になる」と確信。続く3番でもバーディーを奪い混戦から抜け出した。新人時代の08年に全米女子プロを制覇。昨オフには知人を介して元女王アニカ・ソレンスタムさんを自宅へ招き助言をもらった。「すごく感謝している。この勝利でまたわたしは大きく変われると思う」と大きな自信をつかんだ。会見中には地震が発生。とっさに優勝カップを手で押さえたヤニ・ツェンは「台湾ではよく経験してたけど、アメリカに来て初めて。誰もケガをしてないといいんだけど」と話していた。

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2010年4月6日のニュース