藍ちゃん「ざんね~ん」笑顔の2位

[ 2008年10月6日 06:00 ]

3アンダー、2位タイで大会を終えた宮里藍。9番H、ラフからチップインバーディーを決めてガッツポーズ

 2年ぶりのツアー優勝に、あと一歩届かなかった。女子ゴルフツアーの日本女子オープン最終日は5日、新潟県新発田市の紫雲ゴルフ倶楽部(6484ヤード、パー72)で行われ、2打差の4位からスタートした宮里藍(23=サントリー)は5バーディー、1ボギーの68をマークして通算3アンダーでホールアウト。後続の結果を待ったが、最終ホールで李知姫=イ・チヒ=(29=韓国)がバーディーを奪って通算4アンダーとしたため、1打差の2位に終わった。李知姫はメジャー初優勝で、今季2勝目を挙げて賞金ランクトップに躍り出た。

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 鬼気迫る表情は勝負がついた瞬間に、いつものさっぱりとした笑顔に戻った。通算3アンダーで2人の韓国人選手と並んだまま、宮里は真っ先にホールアウト。プレーオフに備えてロッカールームに入ろうとすると、李知姫がバーディーを奪ったことを聞かされた。
 直後の記者会見に「ざんね~ん」と笑いながら登場。2年ぶりのツアー優勝は果たせなくても、しびれるような優勝争いの中で充実感だけが残った。「目標は3つ伸ばすこと。それ以上のスコアを出して勝てなければ仕方がない。ものすごく緊張感もありましたけど、メジャーの緊張感を感じられてよかった」。不動、李エスドも交えた戦いは日本女子オープンの名にふさわしい激闘だった。
 以前は赤色を勝負服にしていた宮里は「赤を着すぎて味気なくなったので気分を変えた」と8月の全英オープンと同じく今年の勝負カラー、水色を身にまとった。1番パー4から80センチのバーディーチャンスにつけるなどショットが好調。小技もさえ、前半から何度もチャンスをつくった。
 8番でボギーを叩き、トップが遠のいた直後の9番パー4では、チップインバーディーでピンチを乗り切った。グリーン手前のラフから10ヤードのフックラインを沈め、右手を上げてガッツポーズ。11番でもバンカーの目玉から3メートルに寄せてパーセーブ。12、13番の連続バーディーで首位に並ぶと終盤のピンチも気迫とともにしのぎきった。
 3週前の日本女子プロ選手権は7位だったとはいえ、優勝争いには加われなかった。今回は日本のファンの前で、久々に強い“藍ちゃん”を見せた。「いい弾みをつけて終われた。久しぶりに米ツアーに出るので新鮮な感じがするし、自信をもってプレーできる」。6日には米ツアー出場のために再渡米。日本でつかんだ手応えとファンの声援が米ツアー初優勝を目指す宮里を後押しする。
 ≪李知姫6年越しV≫03年大会でプレーオフの末に優勝を逃した李知姫は流ちょうな日本語で、「前のことを思い出すと悔しかったのが、うれしさにどんどん変わってきている」と6年越しのタイトルを喜んだ。最終18番のバーディーパットを沈めた際には後続の状況が分からなかったが、スコアカード提出の際に優勝と知って思わず涙ぐんだという。賞金の2800万円を手にし、今季の獲得賞金は9873万8750円で首位に立った。「目標の1億円に近くなったのはうれしい」と話した。

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2008年10月6日のニュース