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本田、ミランに別れ サンシーロ最終戦で惜別弾「ありがとう」

[ 2017年5月23日 05:30 ]

セリエA・第37節   ACミラン3―0ボローニャ ( 2017年5月21日 )

<ACミラン・ボローニャ>試合に勝利し、ファンの歓声に応える本田
Photo By ゲッティ=共同

 ACミランの日本代表FW本田圭佑(30)が21日のホーム最終戦となったボローニャ戦で今季初ゴールを挙げた。後半12分から途中出場し、1―0の後半28分に直接FKを決めた。試合後にはツイッターの公式アカウントを開設し、今季限りでの退団を表明。また、エイバルのMF乾貴士(28)がバルセロナ戦にフル出場し、2ゴールをマークした。日本人選手がバルセロナ戦で得点を挙げるのは初めて。2―4で敗れたものの、歴史に名を残した。

 ロッソネロの背番号10がサンシーロに、ミラニスタに別れを告げた。ホームでの“惜別弾”を決めた試合後だった。本田は自身のメールマガジンでツイッター開設を報告。そのツイッターで「今季終了とともにミランを去ることになるでしょうが、またサッカー選手とは違う形で、皆さんに再会できることを望んでいます。その間にも、私は自らの目標達成に向け日々努力を続ける」とイタリア語でつづり、3年半を過ごしたクラブからの退団を表明した。

 ホーム最終戦。本田の価値を改めて示す直接FKだった。後半12分から4試合ぶりにピッチに立つと、1―0で迎えた28分に見せ場がやってきた。約25メートル中央でFKのチャンス。ボールを離さずキッカーに名乗り出た。短い助走から一気に左足を振り抜くと、ボールは高速回転でカーブし、右隅に突き刺さった。ミランでのゴールは16年2月14日のジェノア戦以来、1年3カ月ぶり。今季初ゴールを挙げた背番号10に、仲間たちは駆け寄って手荒く祝福した。

 苦しみ抜いたシーズンだった。この試合が今季リーグ7戦目。昨年12月から今年4月まで16試合連続でピッチに立てず、いつしかベンチを温める姿が当たり前になっていた。それでも、腐らず地道な努力を怠らない姿勢は多くのチームメートに尊敬され、本田を構想外としたモンテッラ監督にも「チャンスを与えられれば裏切らない。皆の手本だ」と手放しで称えられた。プロ意識の高さが生んだ一撃だった。地元紙も軒並み高評価。トゥット・スポルトは7点をつけ、「リーグ出場7試合目だったが、外科医の執刀のように精密なFKを決めた」と絶賛した。

 14年1月にCSKAモスクワから鳴り物入りで加入した本田は、14〜15年シーズンに開幕から7試合で6ゴールと存在感を示したが、昨季と今季は1ゴールずつと期待には応えられなかった。今年6月末にミランとの契約が満了する。米MLSシアトルからのオファーは断り、今後も欧州での移籍先を模索。スペイン紙には来季スペイン1部に昇格するレバンテが獲得に乗り出したと報じられている中、本田サイドはイングランドやスペインなどを中心にトップリーグを希望している。

 試合後は報道陣に対し「ありがとうとミランのファンに言っておいてください」とだけ話した。惜別ゴールは本田の新たなサッカー人生への始まりとなった。

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