×

本田&香川Wジョーカー!ハリル監督 大一番でリスク覚悟の勝負手

[ 2016年11月15日 05:30 ]

本田(中央)を厳しい表情で見つめるハリルホジッチ監督(右)(左は岡崎)

 日本代表は15日、埼玉スタジアムでW杯アジア最終予選サウジアラビア戦に臨む。引き分け以下で解任される可能性の高いバヒド・ハリルホジッチ監督(64)は、FW本田圭佑(30=ACミラン)MF香川真司(27=ドルトムント)の2人をジョーカーに指名。6大会連続のW杯出場に向けた大一番で、ダブルエースを切り札にする。 予想スタメン  日本代表メンバー  W杯アジア最終予選B組

 デリケートな問題に“直球”を投げ込まれ、ハリルホジッチ監督は笑うしかなかった。サウジアラビア戦前日の公式会見。所属クラブで出番が減り調子を落としている本田と香川の状態を問われると、一点を見つめ口を開いた。

 「いろいろな選択をしないといけない。彼らもロボットではないからトップパフォーマンスにはならない。ただ、チームは11人の先発だけで決まるものではない。交代で入る選手はリザーブではなくジョーカー。より良い結果で終えるためのタクティックチョイス(戦術的選択)だ」。国際Aマッチ計63得点(本田36、香川27)の2人を「Wジョーカー」として起用する方針を示唆した。

 指揮官は同点やリードを許す状況で終盤に突入した場合、Wエースの同時投入も視野に入れている。攻撃的カードの2枚交代は劣勢をはね返す定石の一つ。日本がW杯初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」と呼ばれる97年11月16日のイラン戦では、当時の岡田武史監督が1―2の後半18分に三浦、中山に代え城と呂比須を投入。カズ、ゴンを同時にベンチに下げる思い切った采配で城の同点ゴールを呼び、延長戦の末に勝利した歴史もある。

 サウジアラビア戦は引き分け以下で進退問題に発展することが不可避な一戦。指揮官は守備的な采配をして1―1で引き分けた10月11日の敵地オーストラリア戦を引き合いに出し「オーストラリア戦は慎重なタクティックを選んだがサウジ戦は違う戦術でいく」と言い切った。B組首位の強豪を相手に、目指すのは勝ち点3のみ。前半は大迫、久保、原口ら若手の勢い、終盤は本田、香川の実績と経験、ネームバリューに託す。

 ハリルホジッチ監督は「インフォメーションはダイレクトに伝えた」と、ベンチスタートを直接本人たちに伝えたことを示唆。本田が「外す選択をするということはいろいろな理由がある。監督は説明する必要があるし、納得できるものであれば受け入れる必要がある」と語っていただけに理解を求めた形だ。指揮官は「苦痛を伴いながらの成長するためのテスト。サウジアラビア戦が難しい試合になることは認識しているが我々には勝つクオリティーがある」と力を込めた。引き分け以下なら4位転落の可能性もある、クビが懸かった大一番でリスク覚悟の勝負手を打つ。

続きを表示

この記事のフォト

2016年11月15日のニュース