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メッシ不調に指揮官無策…W杯へ後がないアルゼンチン 協会は機能不全

[ 2016年11月15日 12:50 ]

コロンビア戦に向け調整するアルゼンチン代表の(左から)メッシ、バウサ監督、マスチェラーノ、ディマリア(AP)

 メッシが負けられない一戦に挑む。W杯南米予選は15日に第12節の5試合が行われ、出場圏外の6位に沈むアルゼンチンはホームで3位のコロンビアと対戦する。FWリオネル・メッシ(29=バルセロナ)が4試合ぶりに復帰した10日のブラジル戦で0―3と完敗するなど、最近4試合は2分け2敗で勝利なし。14年W杯ブラジル大会で準優勝した強豪が、もがき苦しむ理由とは――。 W杯南米予選

 アルゼンチンにとって、残り7試合となった予選の行方を左右する天王山となるかもしれない。勝ち点2差のコロンビアに勝てば一気に3位に浮上する可能性がある一方で、負ければパラグアイ、ペルーに抜かれて8位まで転落する危険性もある。屈辱的な敗戦を喫したブラジル戦直後にメッシは「このクソみたいな状況を変えなくてはならない。こんなにひどい結果は予想していなかった」。汚い言葉にいらだち、危機感が表れていた。

 低迷の大きな要因は、やはりメッシだ。既に同国歴代最多の56得点(115試合)を挙げている大黒柱の存在が、チームの浮沈を大きく左右している。今予選11試合のうちケガで7試合を欠場しており、その間にチームが挙げたのは1勝のみ(4分け2敗)。メッシが出場した4試合は3勝(1敗)しており、かつて10番を背負ったリケルメ氏はFIFA公式サイトで「世界一の選手がプレーすれば強い。しかし不在なら平均的なチームで、どこでもアルゼンチンを倒せる」と指摘した。

 また8月に就任したバウサ新監督に対する批判が高まっている。08年にLDUキト(エクアドル)、14年にサンロレンソ(アルゼンチン)を南米王者に導いた名将だが、代表を率いるのは初めて。7月の南米選手権後に代表引退を表明したメッシを説得し、復帰させたのは功績といえるが、5試合でわずか1勝(2分け2敗)とピッチでは結果を出せていない。同時期に就任したブラジル代表チチ新監督の5戦全勝とは対照的な結果で、78年にアルゼンチンをW杯初優勝に導いた名将メノッティ氏は地元紙オーレで「5試合を見て、どう守り、どう攻めるか理解できない。チームは混乱している」。メッシ以外にもFWイグアイン、FWアグエロ、MFディマリアらスター選手がいるチームを立て直せない手腕に苦言を呈した。

 また代表を支援すべき協会は、一昨年にグロンドーナ会長が死去した後、腐敗が表面化。機能不全に陥って6月からFIFAの管理下に置かれている。ピッチ内外で厳しい状況で迎えるコロンビア戦。メッシは「もう、これ以上勝ち点は落とせない」と背水の陣の覚悟で大一番に臨む。

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2016年11月15日のニュース