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浦和 武藤弾で“金満王者”撃破!お金じゃ買えない団結力を証明

[ 2016年4月6日 05:30 ]

<浦和・広州恒大>後半、浦和・武藤(9)が先制ゴールを決めて叫ぶ

 ACL1次リーグH組3位の浦和は5日、ホームで昨季王者の広州恒大(中国)と対戦し、1―0で勝利した。3月16日のアウェー戦でもゴールを決めていたFW武藤雄樹(27)が後半7分に決勝点をねじ込み、勝利に貢献。同組首位のシドニーFC(オーストラリア)が浦項(韓国)に勝ったため、勝ち点7とした浦和は浦項を抜いて同組2位に浮上。08年以来の決勝トーナメントへ前進した。F組の広島は敵地でブリラム(タイ)を2―0で破り、連勝で逆転突破に望みをつないだ。

【試合結果 H組順位表&日程】

 “ACL男”の武藤が、決勝トーナメントへの道をこじ開けた。後半7分、関根の右クロスを逆サイドの宇賀神がダイレクトで折り返す。中央で待つ武藤は鋭い球筋を低い姿勢で頭で合わせ、ゴールにねじ込んだ。「気合が入っていた。浦和が上に行くべきチームだと証明できた」。今季のACL出場全3試合で得点をマーク。同じ広州恒大との前節アウェー戦で反撃ののろしを上げる1点目を挙げ、今度は昨季王者を沈めた。背番号9のアタッカーは、左胸のエンブレムを握りしめた。

 総力を結集しての白星だった。中2日で臨んでいたACLを中3日に伸ばすため、甲府とのリーグ戦を金曜日開催(1日)に前倒しした。1次リーグ突破へ大一番となるこの試合は当日券の値引きに初めて踏み切り、アウェー席の“爆買い”に対抗。「皆さんの力を貸してほしい」と淵田社長は訴え、収益を度外視してまで目先の白星が欲しかった。会場内で用意された当日券3000枚の完売は過去に例がなかった。ピッチにはチーム側の要望通りにボールが走るための散水がなされ、2日前に腰痛が再発したペトロヴィッチ監督は12年の誕生日プレゼントに選手から贈られたつえを突きながらピッチサイドに立った。「ACLファイナルのつもりで臨む」。指揮官の言葉に火が付かないわけはなかった。

 広州恒大が補強したコロンビア代表FWジャクソン・マルティネスの移籍金は約4200万ユーロ(約52億5000万円)。浦和の年間予算にも匹敵する大金をはたいた助っ人に仕事をさせず、無失点で切り抜けた。「お金では買えない団結力、チーム力がある」と槙野は言い、指揮官も「サッカーはお金で全てを買えないことを証明できた」と胸を張った。世界一の資金力があるとも言われる強敵を破り、H組2位に浮上。08年以来の決勝トーナメント進出を視界に捉えた。

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