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ハリル監督 高校生に“喝” 異例U18プレミアL視察

[ 2015年4月12日 05:30 ]

U18プレミアリーグに厳しい視線を送るハリルホジッチ監督

高円宮U―18プレミアリーグ第1節 清水ユース3―1JFAアカデミー福島

(4月11日 味スタ西)
 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(62)が11日、味スタ西で開催された高円宮杯U―18プレミアリーグのJFAアカデミー福島―清水ユース戦を視察した。A代表の指揮官が育成年代のクラブレベルの試合に足を運ぶのは異例。清水ユースが3―1で勝利した試合を見届け、育成年代からA代表にまで共通する日本サッカーの課題を厳しく指摘した。

 真剣な表情で、ハリルホジッチ監督が“金の卵”たちに熱視線を送った。ボヌベー・コーチとともに試合を見届けると「私は真実しか語らない」と切り出し、育成年代の課題をズバリと指摘。「テクニックはあるが、フィジカル、タクティクス、メンタルを向上しないといけない。各カテゴリーの代表が成功を収めていないのは知っている。1、2年後にはプロになる準備を始めないといけない世代。向上するためにトレーニングしてほしい」と要求した。

 視察の目的については「若い年代の日本の子供たちがどういうプレーをするのか、どのように発展してきたのか、日本のフットボールをよりよく知るため。全てのカテゴリーで仕事をしないといけないと思っている」と説明。3月のA代表の国内合宿でも、球際の強さ(フィジカル)、攻撃の優先順位(タクティクス)、自信を持ってプレーすること(メンタル)を修正点に挙げており、課題は共通している。

 日本は今年開催されるU―20W杯、U―17W杯の出場を逃すなど育成年代が低迷。現時点でU―18世代から2段階飛び級でA代表に抜てきされる可能性は極めて低い。それでもハリルホジッチ監督は「黄色のチーム(清水ユース)に何人かいい選手がいた。情熱のある若い年代のいい試合を見ることができた」と満足げ。2得点した清水ユースのMF福井は「名前を覚えてもらえるようにと思ってプレーした。いずれは世界で通用する選手になりたいし、球際などハリルホジッチ監督が求めることは意識したい」と刺激を受けていた。

 カテゴリーを問わずに試合を視察する62歳指揮官の労を惜しまない姿勢が、育成改革の一歩となる。

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