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健太監督「勝ち点14」の常勝哲学 7試合ごとに区切り目標設定

[ 2014年12月14日 10:30 ]

さすがに3つは持てません!Jリーグ、天皇杯、ナビスコ杯の優勝銀皿やトロフィーを前に重たそうな顔を見せる長谷川監督

天皇杯決勝 G大阪3―1山形

(12月13日 日産ス)
 日本人初の3冠指揮官となったG大阪の長谷川健太監督(49)がスポニチ本紙に手記を寄せた。就任1年目の昨季はJ2に降格したチームを立て直し、今季はJ1に復帰して即3冠。奇跡のストーリーを実現させた熱き名将が、激動の2年間を振り返り、来季への熱い思いも明かした。
【試合結果】

 3冠を獲得できて本当にうれしい。最高のシーズンになりました。チームやクラブのスタッフ、選手、サポーター、携わっていただいた全ての方への感謝の気持ちでいっぱいです。

 2年前、ガンバの監督を引き受けました。名門の再建を託された重圧はありましたが、それ以上に自信もありました。清水の監督時代に優勝争いに加われた手応えもあったし、加えて、これだけの素晴らしい選手がそろっているわけですから。「このチームで結果を出せないのなら、自分には監督の才能がねえんだな」。自らそう思うだけでなく、周囲からそういう目で見られることも覚悟の上での決断でした。

 6年間指揮を執った清水ではタイトルに届きませんでした。今振り返れば、足りない部分がいっぱいあった。ガンバでは選手を信頼することから始めました。まずこちらが信じないことには選手から信じてもらえない。清水のときは信頼しているつもりでも、態度や声で伝えることができなかった選手もいました。だからこそ、コミュニケーションは大事にしてきました。11人では勝てないし、ベンチ入り18人だけでもダメ。全員で戦っていこうと。選手が戦っている以上、自分もメンバー選びに対して真剣に向き合ったつもりです。

 監督就任にあたり、7試合ごとを1クールに分けて勝ち点の目標を設定しました。J2の昨年は7試合ごとに15、今季は14。これは清水の選手だった99、00年にチームを率いていたペリマン監督がやっていたことを参考にしました。J2は年間42試合の長丁場だったので、先を見るのではなく一試合一試合、積み重ねて行こうと。まあ、選手は数字は気にしてなかったでしょうけど。

 ただ、今季も第2クールまでは苦しみました。そこでW杯による中断期間に入り、選手にはキャンプでこう伝えました。「再開後の第3クールでどれだけ勝ちを稼げるかが勝負だ。ここで稼げなかったら残留争いに切り替えるぞ」と。全員が危機感を持ってやってくれた結果、勝負の第3クールで5勝1分け1敗だったことが、3冠へとつながったんだと思います。

 ストレス解消法とか趣味はあまりないですけど、勝てない時期、食に走ってしまいました。さすがにまずいなと、試合前に験担ぎに食べているカツカレーを、ライス抜きにするなど減量を始めたらチームが勝ちだして。おかげでやめられなくなり、今も続けています。

 来季はJリーグに加えて楽しみにしているACLもあります。清水時代はリーグ4位が2回、天皇杯準優勝が2回と、出場権まであと一歩届かなかったので。もちろん、やるからには王者を目指します。来季も引き続き応援よろしくお願いします。(ガンバ大阪監督)

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2014年12月14日のニュース