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バルサが変わった! 無冠返上へ始まったL・エンリケの改革

[ 2014年8月26日 10:37 ]

<バルセロナ・エルチェ>相手選手と競り合うメッシ (AP)

 新生バルセロナが白星スタートを切った。24日にホームで行われたエルチェとの開幕戦は、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(27)の2ゴール、下部組織出身のFWムニル(18)のデビュー弾などで3―0と快勝。現役時代はバルサ主将も務めた元スペイン代表MFのルイス・エンリケ新監督(44)の下で、昨季6季ぶりの主要タイトル無冠に終わったチームはどう変わろうとしているのか。復活を期す名門の進化に迫った。

【14-15全日程】

 進化(1)メッシの守備 故障に苦しんだ昨季は考えられないダッシュだった。前半28分にバルセロナの右CKからカウンターを受けそうな場面で、コーナー付近にいたメッシは必死に守備に戻りファウルでピンチの芽を摘んだ。退場者が出て10人になった後半も前線からボールを追って完封に貢献した。ルイス・エンリケ新監督は「メッシが望むなら世界最高のDFになれる。練習ではもっと難しいことをやっている」と説明。昨季は攻撃にほぼ専念できたエースだったが、守備を求められた中でも2得点と決定力を保てることを示した。

 進化(2)攻撃的システム 新指揮官が目指すのは「ボールを支配し、今まで以上に進化した素晴らしい攻撃サッカー」。その言葉通り前半のボール支配率は77%を記録した。昨季、速攻やロングボールも取り入れたのとは対照的に、08~12年に黄金期を築いたグアルディオラ元監督に近いポゼッション重視でショートパスをつなぐスタイルに回帰。終盤にスタンドから沸いた「ルイス・エンリケ」コールはサポーターから支持された証だ。基本布陣は昨季までと同じ4―3―3だが、攻撃時にはより攻撃的な3―4―3にも変化。3トップが中央に寄り、空いたサイドに両サイドバックが上がって攻撃に厚みを加えた。

 進化(3)新戦力 2点目は新戦力コンビから生まれた。1―0の後半2分、セビリアから加入して新司令塔と期待されるクロアチア代表MFラキティッチのパスから、バルセロナBから昇格した18歳のFWムニルが初出場で初得点を決めた。新監督が「ムニルは他の生え抜き選手と同様にチームに多くの解決策をもたらしてくれる」と喜んだのは、かつて自らバルセロナBを率いて若手育成を重視しているから。今夏、近年にない大型補強を行った中からはチリ代表GKブラボ、09年以来のセンターバック補強となる元フランス代表DFマテュー、期限付き移籍したセルタから復帰のMFラフィーニャが先発して“新陳代謝”を印象付けた。10月末には“かみつき事件”の出場停止明けからウルグアイ代表FWスアレスが合流。新指揮官が「良い形で一歩踏み出せた」という新生バルサの改革は始まったばかりだ。

 ≪移籍禁止見据えて補強≫今夏の大量補強は来年以降も見据えたもの。背景には、18歳未満の選手の国際移籍における規定違反で、来年1月と同年夏の移籍期間に外部からの補強が禁止されることがある。ただし期限付き移籍選手の復帰と下部組織からの昇格は認められるため、ムニルのような昇格選手は今後より重要になる。またルイス・エンリケ監督は9月1日の移籍期間終了までに「さらなる補強も考えられる」としている。

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2014年8月26日のニュース