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香川“戦力外” 指揮官「ボランチでは私の希望と哲学を満たせない」

[ 2014年8月26日 05:30 ]

<サンダーランド・マンチェスターU>ベンチで戦況を見つめる香川

プレミアリーグ第2節 マンチェスターU1―1サンダーランド

(8月24日)
 マンチェスター・ユナイテッドの日本代表MF香川真司(25)は24日のサンダーランド戦でベンチ入りしたものの、2戦連続で出場機会なしに終わった。試合後、ファンハール監督からは事実上の戦力外通告と取れる厳しい評価も飛び出した。9月5日のウルグアイ戦(札幌ド)で初陣を迎えるアギーレジャパンのエース候補は、クラブでますます苦境に立たされた。
【香川の成績】

 出番のなかった香川に衝撃的な一言が待っていた。1―1で引き分けたサンダーランド戦の試合後、ファンハール監督に香川のボランチ起用の可能性についての質問が飛んだ。すると指揮官は「(開幕前の)米国ツアーで香川をその位置で起用したが、私の希望と哲学を満たすプレーはできなかった」と即答。それは事実上の戦力外通告と取れる言葉だった。

 1―1の後半18分、フレッチャーの代わりに投入されたのは、チームでは一度もボランチに入ったことのないヤヌザイだった。7月の米国ツアーでは香川が試されたポジションだが、指揮官の考えにボランチ起用の選択肢はなかった。「シンジは10番タイプ」と指揮官が明言するように、今後はトップ下のみの出場が予想される。だが、そのポジションではマタが確固たる地位を築き、この日も1得点と存在感を見せた。ディマリア(Rマドリード)の入団が決まれば、香川のトップ下での序列は3番手以下となる。今後はベンチ外が増える可能性が高まった。

 9月5日にはアギーレジャパンの初陣となるウルグアイ戦が待つ。エース候補として期待される香川だが、出番なしが続けば代表でのパフォーマンスにも影響を及ぼす。アギーレ監督は選手選考で、名前や実績を優先するタイプではない。日本協会の原専務理事も、香川の厳しい状況には渋い表情で「しようがないな」と歯切れが悪かった。

 中1日で開催される3部ミルトンキーンズとのリーグ杯(26日)には出場が予想される。格下相手のカップ戦ながら、古巣ドルトムントなどへの移籍報道が絶えない香川には指揮官の低評価を覆す貴重な機会となる。アギーレジャパンに弾みを付けるためにも、“戦力外通告”のうっ憤を晴らすためにも、会心のパフォーマンスが求められる。

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2014年8月26日のニュース