×

ファンハール無念 教え子GKが決勝進出阻止 ロメロ「自信あった」

[ 2014年7月10日 11:43 ]

PK戦で4本中2本を止めたアルゼンチン代表GKロメロ(AP)

W杯準決勝 アルゼンチン0―0(PK4―2)オランダ

(7月9日 サンパウロ)
 決勝進出をかけた雌雄を決するPK戦で、アルゼンチンのゴールマウスに頼もしい男が立ちはだかった。鋭い反応で4本中2本を止めたGKロメロは「自信を持っていたし、全てがうまくいった」と興奮冷めやらぬ様子だった。

 オランダの1人目のフラールのキックを左に跳んではじき、流れを呼び込んだ。3人目のスナイダーの場面では、右に目いっぱい体を伸ばしてストップ。6万人を超える観衆に自らの存在を誇示するかのように、力強くほえて胸をたたいた。

 27歳の長身192センチは昨季夏にフランス・リーグアン(1部)のモナコに加入。活躍を期待されたが、ポジション争いに敗れ、リーグ戦出場はわずか3試合で不本意なシーズンに終わった。しかし、代表では前回の南アフリカ大会に続いて正GKを務め、今大会では準々決勝まで5試合全て1点差の勝利に貢献。厳しい局面を支え続け、初のPK戦でスポットライトを浴びた。

 07年に加入したオランダ1部リーグのAZでは、当時監督だったファンハール監督のもと正GKとして活躍。08年には28年シーズンぶり2度目の優勝を達成し、栄冠の喜びを分かち合った。

 皮肉にも教え子のPKセーブで、決勝進出を逃したファンハール監督は「当時、(ロメロを)欧州に連れてきたのはわれわれ(AZ)だった」と悔やんだ。逆に堂々の「マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)」に選ばれたひげ面の守護神は「とても幸せだ」と悦に入った。

続きを表示

2014年7月10日のニュース