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コスタリカ10人で初8強 GKナバスの手足に神降臨

[ 2014年7月1日 05:30 ]

<コスタリカ・ギリシャ>PK戦でゲカスのシュートを止めるナバス

W杯決勝トーナメント1回戦 コスタリカ1―1(PK5―3)ギリシャ

(6月29日 ペルナンブコ)
 中米の小国・コスタリカが4度目の出場で初めてベスト8入りした。29日(日本時間30日)の決勝トーナメント1回戦ギリシャ戦は1―0の後半21分に退場者を出し、その後はGKケイラー・ナバス(27=レバンテ)を中心に10人で耐える展開。同ロスタイムに追い付かれたが、1―1で突入したPK戦は5人全員が成功し、ナバスが4人目を止めて5―3で制した。コスタリカは5日(同6日)の準々決勝でオランダと対戦する。
【試合結果 決勝トーナメント】

 120分を戦い終えた時点で、コスタリカの選手たちは安どの表情を浮かべた。ベンチはまるで勝ったような喜び方だ。「ウチには世界最高のGKの一人がいる。PK戦に持ち込めばいける」。ピント監督の狙い通り、GKナバスがギリシャ4人目のFWゲカスをストップ。相手が蹴る前から誘うように両手足を左右にクネクネと動かし、右へ跳ぶと左手1本でシュートをはじき出した。

 「PK戦を前に自信を持っているチームメートを見て、凄くうれしかった。ギリシャのPKは研究していたよ。あれはただ反応して、はじき返しただけだったけど」
 
 喜んだナバス抜きにして史上初の8強はなかった。1次リーグではイタリアとイングランドを完封して「死の組」D組を1位通過。後半21分にDFドゥアルテが2枚目の警告で退場となり、延長を含め1時間近くを10人で戦ったこの試合もスーパーセーブを連発した。後半ロスタイムの同点弾は防げなかったが、延長後半8分には2人対5人のピンチでMFフリストドゥプロスを止め、終了寸前にもFWミトログルのシュートを右足に当てた。シュート数6―24の劣勢に耐え、枠内13本中12本を止めた守護神ぶりに、敵将サントス監督も「本来なら4点のはずが3点を防がれた。彼がいなかったら結果は変わっていた」と脱帽した。

 リーガ・エスパニョーラの中堅チーム、レバンテで今季レギュラーをつかんだ。毎週のようにメッシやC・ロナウドらと対戦して瞬発力を磨き、「ビッグネーム相手にもビビらなくなった」という。昨年8月の開幕戦ではバルセロナに7失点したが、今年1月の対戦ではメッシとの1対1を止めるなど1失点で成長を証明。38試合で16完封、160セーブを記録し、セーブ率80・1%で堂々のリーグ1位に輝いた。

 W杯開幕前には男子プロテニス選手の160キロショットを止める企画の動画が話題となった。開幕直前の日本との親善試合で3失点した反省を生かし、ゴールを守り続けるナバスにはAマドリードやリバプールが獲得に動いているといわれる。「僕らは新たな歴史を築いているけど、人々の心に永遠に刻まれるような結果を残したい」。意気込む守護神は、次戦で今大会最多12得点のオランダの前に立ちはだかる。

 ◆ケイラー・ナバス・ガンボア 1986年12月15日、コスタリカ・サンイシドロ生まれの27歳。18歳だった05年に同国強豪サプリサのユースからトップチーム昇格。10年にアルバセテ(当時スペイン2部)へ移籍。レバンテへのレンタル移籍を経て12年に同クラブへ正式移籍。コスタリカ代表には06年に初招集され、09年の北中米カリブ海選手権で4強入りしてベストGKに選ばれた。代表通算57試合63失点。1メートル84、78キロ。

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