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あえて10人でプレー続行 勝負の鬼になった清水指揮官

[ 2011年2月17日 12:31 ]

<清水・京都>判定に不服そうに、副審をにらみつけるゴトビ監督(左)

 J1清水は16日、鹿児島キャンプを打ち上げた。この日はJ2京都と練習試合を行ったが主力組は0―2で敗戦。アフシン・ゴトビ監督(47)は左でんぶ痛のFW伊藤翔(22)を途中から強行出場させるなど勝利への執念を見せたが、無得点敗戦に終わった。

 勝利への執念を感じさせる采配に、清水がようやく目覚めた。後半14分、攻撃参加したDFボスナーが相手を倒し、この試合2枚目の警告を受けて退場。京都サイドからは練習試合のため、11人でのプレー続行を提案されたが、指揮官は首を縦に振らなかった。そして1点ビハインドの状況を踏まえ、19分、10日の練習で左でん部を痛めたFW伊藤をピッチに送り、また右MF大前を右サイドバックにまわした。

 「翔(伊藤)は最初から20分くらいプレーしてもらおうと思ったが、少し長かったかな。翔は右から内側に入り、空いたスペースを元紀(大前)が使うことを狙った」とゴトビ監督。左MFアレックスとFW高原を含め、攻撃時は実質4トップとリスクの大きな布陣への変更を選択した。

 37分、相手にカウンターを浴び、ボランチからDFにまわっていた岩下がPKを献上。2点目を喫したが「それが私の採った戦術です」とゴトビ監督。44分、高原の決定的な左足シュートは相手GKに阻止され、ロスタイムには小野の左CKを平岡がヘディングシュートしたが、わずかにそれた。勝ち点3獲得を目指すのが、ゴトビ監督だ。

 MF小野は「セットプレーでやられたのが一番悔しいが、話し合って修正したい。こんな経験をして、どうやって戦うのかと思うのが大事。ネガティブに考えてはいない。負けるときはこんな感じ」。練習は70分以内ながら、選手を最大限に集中させるため、どのメニューでも競争を意識させるなど、さまざまな工夫を取り入れているゴトビ監督。「いまは結果を出す時期ではない。しかし選手のメンタルの成長は確認できた。本当のプロなら、この試合をどうマネジメントするか」とゴトビ監督は、J2相手の敗戦を、チーム成長の糧にする。

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2011年2月17日のニュース