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奇襲だ!本田1トップでイングランド戦も

[ 2010年5月28日 06:00 ]

<日本代表練習>30日の親善試合イングランド戦で1トップに入る可能性が出てきた本田圭佑

 W杯日本代表MF本田圭佑(23=CSKAモスクワ)が、30日の親善試合イングランド戦(オーストリア・グラーツ)で1トップに入る可能性が出てきた。ザースフェー合宿2日目の27日、4分の1コートで行われた11対11のゲーム形式練習(8分ハーフ)の後半に新システム4―1―4―1の最前線でプレー。過去に1度も経験したことがないポジションだったが、本田自身は手応え十分。新オプションで活路を見いだすことになる。

 誰もが目を疑った。気温6度、小雨の降る中で行われたゲーム形式練習。水色のビブスを着た主力組の1トップには本田の姿があった。プロ入り後は1度もプレーしたことのない未知のポジション。それでも新システム4―1―4―1の最前線で攻撃の起点となり「海外の1トップは1人で何とかしろ、という感じになるけど、日本では追い越してくれる選手も多いので、心配はしていない」と手応えを口にした。
 日本は4月7日のセルビア戦に0―3、24日の韓国戦に0―2とW杯出場国との親善試合で2戦連続で完敗。低調な試合が続いたことで、ついに岡田監督は新システム採用で守備重視の戦術に変更する起死回生の一手に打って出た。本田は紅白戦の前半は右MFでプレーしており、1トップに固定されたわけではない。だが、少ない人数で得点するためには、前線でボールをキープでき、シュート力もあるレフティーをFWに置くことも選択肢の一つだ。
 突然の1トップ起用となったが、本田はむしろ歓迎ムードだ。所属するCSKAモスクワではリーグ終盤にボランチで起用され、スルツキー監督への不満を爆発。ゴールに近い位置での出場を訴えただけに、得点機会が増えるFWは望むところでもある。「結局、最後は個だと思っている。前を向いてなんぼのところがあるので、チーム全体として僕が前を向いてプレーできるようにしてくれれば」と個性を前面に出すスタイルにも変わりはない。
 すでにイメージはできつつある。本田は「前を向いたらシュートレンジというポジション。強い相手にどう前を向くかがポイント」と説明し「中途半端な位置でボールを受けて、トラップでボランチを置き去りにできたら自分の形」と続けた。相手のマークを外しやすくなるストッパーとボランチの間にポジションを取れば、自分の特長が生きると確信している。
 新ポジションは30日のイングランド戦でテストされる可能性があり「イングランド戦は一つ一つのプレーに手応えを感じていかないといけない。欲張りですけど、内容と結果を求めたい」と力を込めた。W杯初戦のカメルーン戦まで18日。本田の1トップは、低迷する岡田ジャパンを劇的に変化させる可能性を秘めている。

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2010年5月28日のニュース