Ｗ杯開幕前にも「シャルケ内田」誕生か？

＜鹿島・浦項＞前半、ボールを追う内田

　鹿島の日本代表ＤＦ内田篤人（２２）が、ドイツブンデスリーガのシャルケからオファーを受けて交渉中であることが１２日、明らかになった。

　海外志向の強かった内田はＷ杯南アフリカ大会後の欧州移籍を見据え０８年１２月に代理人と契約した。昨年１２月には渡独しシャルケ―マインツ戦を観戦するなど移籍の準備を着々と進めていたが、今冬の移籍市場ではシャルケのほかロコモティフ・モスクワ（ロシア）も獲得に乗り出していた。
　この時は本格的な交渉に至らなかったが、Ｗ杯後の獲得を目指してシャルケがオファー。内田サイドも交渉の席についた。シャルケを指揮しているマガト監督は、昨季まで率いたボルフスブルクで長谷部、大久保を獲得。日本人選手を高く評価する指導者で内田の能力も買っていたようだ。関係者によれば、シャルケ以外にも欧州の複数のクラブが内田の獲得に動いているもようだが、内田自身もシャルケ移籍を前向きに考えており、まとまる公算が大きい。
　内田は１３年７月まで鹿島と契約を結んでいるが、鹿島側も海外移籍を希望する内田の意向を認める方針。交渉がスムーズに進めばＷ杯開幕前にも「シャルケ内田」が誕生することになりそうだ。
　◆内田　篤人（うちだ・あつと）１９８８年（昭６３）３月２７日、静岡県生まれの２２歳。清水東高から０６年鹿島入り。Ｊリーグ通算１２４試合３得点。国際Ａマッチ通算３１試合１得点。Ｗ杯予選の０８年バーレーン戦で日本人最年少得点記録（２０歳８７日）をマーク。１メートル７６、７２キロ。
　▽シャルケ０４　ドイツ西部のゲルゼンキルヘンを本拠地に１９０４年に創設。リーグ優勝７回を誇るが、５８年を最後に優勝はない。ドイツ杯優勝４回で９７年にＵＥＦＡ杯を制した。マガト監督が就任した今季は優勝を争ったが、終盤失速して２位に終わった。ホームはフェルティンス・アレナで６万１６７３人収容。