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ナオ誕生日に吉報!茂庭「準備しとけよ」

[ 2010年5月13日 06:00 ]

29歳の誕生日にW杯予備登録メンバー入りも果たしたFC東京のMF石川

 日本サッカー協会は12日、東京・本郷のJFAハウスで原博実強化担当技術委員長(51)が会見し、W杯南アフリカ大会(6月11日開幕)の予備登録メンバー30人を発表。10日に発表されたW杯メンバー23人のほかに、FC東京のMF石川直宏(29)ら7人が新たに選出された。12日が29歳の誕生日だった石川にとってはうれしい“誕生日プレゼント”となった。

 南アフリカへの道はつながっていた。29歳のバースデーを祝うように石川が予備登録メンバーに選出された。原技術委員長は、新たに選出された7人について「23人に何かあれば代わってもらう選手」と説明した。W杯メンバーから離脱者が出れば、この7人から補充される可能性が高い。石川は「代表の一員として個人としても日々成長していきたい」と話した。
 W杯メンバー23人から漏れた10日はさすがに落ち込んだ。メンバー入りに備え発表当日の予定は空けていた。W杯を見据え新スパイク作製も進めていた。「1人でいるともんもんとしそうで」とサッカーとは無縁の知人と食事に出かけた。「悔しいけど柔軟に前に進もうと。次の一歩につなげるしかない」。切り替えに必死だった。
 そんな中、前向きな気持ちにさせてくれたのがかつての同僚で親友のDF茂庭(C大阪)からのメール。「オレみたいなこともあるからしっかり準備しとけよ」。06年ドイツ大会直前、DF田中誠(当時磐田)の負傷離脱を受け緊急追加招集されたのが茂庭だった。石川は「そうだよなと。そのためにもチーム(15日の清水戦)で結果を出そうと思いました」と言う。
 ドリブルで攻撃にアクセントを加える切り札として期待が大きいだけに石川落選を嘆く声は多かった。プロゴルファーの石川遼もその1人。「名字が同じで応援していた。名前が呼ばれず“そっか”と思った」と残念がっていた。「凄くうれしくてそう思ってくれるのは本当にありがたい」。石川は周囲の思いを再スタートの力に変えた。
 この日、多くのサポーターから誕生日プレゼントが届いた。母・さなえさん(49)からは生まれた時刻と同じ午前7時31分に祝福メールが届いた。「20代最後をいい年にしたい。体の切れ、経験のバランスが今が一番いいと思う」。国内屈指のスピードスターは南アフリカで救世主になるための準備を整える。
 ◆茂庭の緊急追加招集VTR W杯ドイツ大会開幕直前の06年5月28日にDF田中誠が左太腿を負傷し離脱。DF茂庭(当時FC東京)が緊急招集された。W杯メンバーから落選しハワイを旅行中だった茂庭は同31日に緊急帰国し、6月1日に合宿地ボンに入った。ハワイ―日本―ドイツの総移動距離は2万2000キロ。W杯では6月12日の初戦オーストラリア戦(●1―3)に途中出場した。
 ▽予備登録メンバー 11日までにFIFAに登録した30選手のことで、10日に発表済みのW杯メンバー23人も含まれる。23人から離脱者が出た場合は1次リーグ初戦の24時間前まで入れ替えが可能で、この日新たに選出された7人が“繰り上げ当選”の第一候補となる。規定では予備登録以外から入れ替えることもできる。原技術委員長は「GKが2人ケガした場合など(離脱者の)ポジションによっては7人以外から呼ばれる可能性もある」と説明した。
 ▽サポートメンバー 練習パートナーとして21日スタートの国内合宿からW杯本大会まで日本代表に同行する選手のこと。ロンドン五輪世代を中心とした若手から4人が選ばれる。17日に4人全員を発表する予定だったが、MF香川(C大阪)だけは前倒しでこの日発表された。香川同様、この日選出された7人から新たなサポートメンバーが選ばれる可能性もある。

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2010年5月13日のニュース