【有馬記念】M・デムーロ、朝日杯に続きフラッシュで連弾だ!

[ 2012年12月19日 06:00 ]

エイシンフラッシュが12年を締める

 有馬記念と言えば、外国人ジョッキーを避けては通れない。10年には1~3着を独占。今年も5人の名手が参戦する。ミルコ・デムーロ(33=イタリア)は秋の天皇賞を制したエイシンフラッシュとのコンビ。先週の朝日杯FSをロゴタイプで制し、勢いを持って臨む。

【有馬記念】

 日曜の朝日杯FS。中山マイルでは絶対的に不利と言われる外枠(14番)を問題にせず、ロゴタイプで3戦無敗のコディーノを沈めたM・デムーロ。巧腕ぶりをあらためて見せつけた形だが、レース後の勝利騎手インタビューでは日本語で「来週もガンバリマス」と力強く言い切った。2年前には朝日杯グランプリボス→有馬ヴィクトワールピサと、師走の中山G1を連勝で締めくくった鞍上。エイシンフラッシュで挑む今年のGPも、当然力が入る。

 初コンビだった天皇賞・秋は、フラッシュにとってもダービー以来、2年5カ月ぶりの勝利となった。道中は中団のインをキープし続け、直線も内ラチ沿いを突き抜けた。「トレーナー(藤原英師)と話し合って作戦は決めていたが、何をしでかすか分からないタイプ。レースというのは考えていた通りにはいかないものだが、天皇賞に関してはイメージ通りだった」と振り返る。

 7年ぶりの天覧競馬。ウイニングランを終え、スタンドの天皇、皇后両陛下の前で馬から下りると、ヘルメットを取ってひざまずいた。「何か特別なことをしたかった」。王室文化の根付いた欧州出身騎手ならではの敬意の表し方が、日本の競馬ファンの心を打った。「日本の全てが好き」と公言するデムーロにとっても「忘れられない特別な1勝」だった。

 特別な相棒と挑むグランプリ。「フラッシュは昨年の2着馬。中山は合っていると思う。展開さえ向けば十分チャンスはある」とした上で、ライバルにも目を向ける。「G1はどの馬も最高のコンディションで出走してくるから気は抜けない。ルーラーシップにゴールドシップ。もちろん他の馬も強敵だ」と表情を引き締めた。

 ファン投票では3位に支持された。藤原英師は「ジェンティルドンナ(4位)を抑えての結果だから大したもの。天皇賞のミルコの騎乗、敬礼のシーンもファンの心に残っているのでは」と話す。「今回は細かいことは言わない。任せるよ」。指揮官の信頼、ファンの期待を背に、デムーロとフラッシュは今年最後の大一番に臨む。

 ◆ミルコ・デムーロ 1979年1月11日、イタリア生まれの33歳。94年に騎手免許を取得、95年にイタリアの見習騎手リーディング。97~00年に4年連続でイタリアのリーディングを獲得。99年に初来日、03年にネオユニヴァースとのコンビで皐月賞、ダービーの2冠を制覇。今年は天皇賞・秋、朝日杯FSを優勝。JRA・G1・8勝。通算320勝。父・ジョワンニバティスタは元騎手、弟・クリスチャンも騎手、妹・パメラは調教師という競馬一家。

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2012年12月19日のニュース