【有馬記念】ダークで一発ムーア 馬体締まりピークの出来

[ 2012年12月19日 06:00 ]

坂路を駆けあがるダークシャドウ

 ジャパンC4着からの逆転戴冠を狙うダークシャドウが、心強い味方を得た。競馬発祥の地である英国で3度のリーディングに輝いたムーアとの新コンビ。13日に南Wコースで行われた1週前追い切りで感触を確かめた名手は「強い運動(1000メートル64秒2)だったが、よく体が動いていた。従順に反応するし、スピードも素晴らしい。動きには本当に満足している」と新パートナーを絶賛した。

 短期免許での来日は10年に続いて2度目。日本でもおなじみのペリエやM・デムーロに比べると“新顔”だが、スノーフェアリーとのコンビで連覇を達成した10、11年エリザベス女王杯は強烈なインパクトを残した。まだ29歳と若いが、騎乗スタイルは熟練したベテランのように冷静かつクレバー。全身を躍動させて馬を追う姿も迫力満点で、今回の来日でも連対率25・6%の高率を残している。

 騎乗するダークの体調も上昇カーブを描いている。17日は坂路1本をゆったりと登坂(800メートル67秒1)。「先週いっぱいに追ったが、疲れもなく、気合が乗って元気。以前は使うとクタッとなることもあったが、今は大丈夫」と橋本助手。ジャパンCの時より体はグッと締まり、秋3戦目でピークの出来に近づいている。

 最大の課題は舞台。全5勝を東京芝で挙げており、中山芝では【0001】。だが、ムーアは「中山でもたくさん乗っているので特徴は分かっているが、この馬にはむしろ合っている。ノープロブレムだ」と断言する。シャイで口数が少なく、リップサービスをしないことでも有名な巧碗が“お墨付き”を与えたとなれば、克服の期待は高まる。

 「有馬記念が日本で特別なレースであることは理解している。乗れることをうれしく思う」。クールな英国紳士のエスコートで、未完の大器ダークが大仕事をしそうなムードが漂ってきた。

 ◆ライアン・ムーア 1983年9月18日、英国生まれの29歳。00年、英国で騎手デビュー。06年、G1初制覇を飾り英国リーディング首位。10年には英ダービー、英・愛オークス、凱旋門賞など欧州タイトルとともにエリザベス女王杯(スノーフェアリー)でJRAのG1優勝。

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2012年12月19日のニュース