【天皇賞・秋】フェノーメノ 史上3頭目3歳盾制覇へ万全

[ 2012年10月25日 06:00 ]

ナドレ(右)と併せ追い切るフェノーメノ

 今年は3歳馬から目が離せない――。「第146回天皇賞・秋」の追い切りが24日、東西トレセンで行われた。美浦ではダービー2着の雪辱に燃えるフェノーメノがWコースの併せ馬であっさり先着。万全の態勢をアピールした。なお、同レースは25日、出走馬、枠順が確定する。

【天皇賞・秋】

 春よりもパワーアップした事実を調教でも証明した。フェノーメノの最終追いはWコースの併せ馬。障害オープンのナドレを先行させ、4馬身後方から追走した。向正面は折り合いに専念。行きたがる感じは一切なく、軽快かつ迫力のある脚さばきでコーナーもスムーズに回った。直線に向いても手綱は動かないが、格下の併走馬に外から並ぶと一気に突き放す。手応えに余裕を残したまま2馬身先着した。

 計時は6F81秒9。「動きはよかった。時計は予定よりも少し速いが、無理するところなく楽に出た」。穏やかな口調で切り出した戸田師はさらに続けた。「春は同じような雰囲気で追い切っても、なかなか時計が出なかった。力をつけていると思う。前走より素軽くなって反応もよくなっている」。馬体についても「数字うんぬんではなく、見た目にグッと締まり、春よりバランスがよくなった」と成長に目を細める。

 秋初戦のセントライト記念は早め先頭から押し切る完勝。ゴール前で内にもたれる面も見せたが、コンビを組む蛯名は「馬が遊んでいたんじゃないか。余裕があったのでは」と解釈している。「春は青葉賞でモタついたが、ダービーではギアの入りが速かった。今回も1度使っての上積みで反応がよくなっている」。最終追いには騎乗しなかったが、強めに追った1週前追いでつかんだ好感触に鞍上も自信をのぞかせる。

 3歳馬同士の菊花賞ではなく、あえて選んだ古馬への挑戦。「力のある馬ばかり。簡単な戦いではないが、状態は本当にいいし物おじしない馬なので」と戸田師は期待する。「通用するかどうかは、やってみないと分からない」。トレーナーも鞍上も同じ言葉を口にしたが、蛯名はこう付け加えた。「それが最初から分かっていたら競馬じゃない。そこが面白いところ」。96年バブルガムフェロー、02年シンボリクリスエスに続く史上3頭目の3歳盾制覇へ。そのバブルガムを優勝へと導いた鞍上だからこそ「面白い」という言葉に重みがある。

 ≪ダービー2着馬の連対率は100%≫ダービー2着馬が同年の天皇賞・秋に出走したケースは過去2回あるが連対率は100%。95年ジェニュインは京王杯AH2着→毎日王冠6着から臨戦。サクラチトセオーの剛脚に鼻差屈したが、好位2番手から粘り込んで2着を死守した。02年シンボリクリスエスは菊花賞TRの神戸新聞杯を完勝しながら盾に挑戦。東京が改修工事中のため中山で行われたが、ナリタトップロードの猛追を振り切ってタイトルを手にした。

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2012年10月25日のニュース