【天皇賞・秋】カレンブラックヒル　無敗Ｖへさらに進化

追い切るカレンブラックヒル

　「第１４６回天皇賞・秋」の追い切りが２４日、東西トレセンで行われた。栗東では５戦無敗のカレンブラックヒルがパートナーを突き放す快走。ＮＨＫマイルＣを制し、既に毎日王冠で古馬も撃破しているスター候補が史上初の無敗盾制覇へ準備を整えた。

【天皇賞・秋】

　史上初となる無敗での天皇賞制覇へ、デビュー５連勝中のカレンブラックヒルがＣＷコースで活気あふれる動きを見せた。先導役のハーデス（２歳未勝利）を追走して、直線に向くと徐々にギアを上げる。エンジンがかかると後輩馬を楽に捉え、並びかける間もなく一気に突き放して３馬身の先着だ。この日は水分を含んだ重めの馬場コンディション。時計は６Ｆ８１秒９～１Ｆ１２秒２と目立たないが、ノメる様子は一切なく終始リズムがいい。騎乗した秋山は天性のバランスの良さに舌を巻いた。

　「この馬に乗っていると馬場が悪いのを感じない。バランスがよくてスピードが落ちない。楽に速いタイムが出るんですよ」

　前走の毎日王冠から中２週。間隔が詰まっているため馬なりでラスト１Ｆ仕掛けただけ。「調教はいつもいいですからね。あとはレースにいっての反応がどうか」と実戦を見据えた。

　初の古馬相手、そして１Ｆ延長も問題にしなかった前走は休み明けだったせいか「３、４角での手応えがよくなかった」という。それでも直線ゴーサインを出してからは先行勢を競り落とし、後続の追い上げもしのぎきった。あらためてポテンシャルの高さを認識し、ひと叩きすれば反応も良くなるという感触を得た。さらに１Ｆ延びることも「心配してません」とキッパリ。「春と比べて落ち着いています。いい意味でのズブさがあるので、今は二千ぐらいがいいかも」とむしろプラスに働くとの見通しだ。

　ＮＨＫマイルＣが平田厩舎、秋山にとっての初のＧ１タイトル。悲願をもたらした３歳マイル王が今度は古馬の最高峰へ。無敗での快進撃にトレーナーは「まだ６戦目。相手もグッと強くなる。チャレンジャーですよ」と謙遜しながら、「もちろん期待もあります」と手応えもつかんでいる。秋の目標と公言する盾の舞台で、さらに進化を遂げた姿を見せつける。

　≪６戦目での古馬Ｇ１制覇なら最少キャリアタイ≫カレンブラックヒルがデビュー６戦目での古馬Ｇ１制覇となれば、グレード制が導入された８４年以降ではファインモーション（０２年エリザベス女王杯）、リアルインパクト（１１年安田記念）に並ぶ最少キャリア優勝。また、デビューから２８２日目でのＪＲＡ・古馬Ｇ１制覇はフラワーパーク（２０４日・９６年高松宮杯）、タイキシャトル（２１２日・９７年マイルＣＳ）、リアルインパクト（２２５日・１１年安田記念）、タイキシャトル（２４０日・９７年スプリンターズＳ）に続く史上５番目の記録となる。