【天皇賞・春】オルフェ 汚名返上へ優等生仕上げ

[ 2012年4月26日 06:00 ]

<天皇賞・春>坂路でバーディーバーディー(右)と池添を背に追い切るオルフェーヴル

 オルフェ今度は任せた!!「第145回天皇賞・春」の追い切りが25日、栗東トレセンで行われた。昨年の年度代表馬オルフェーヴルが圧巻の動き。坂路4F52秒4を馬なりではじき出しオープン馬相手に1馬身先着。前走はまさかの逸走でファンの期待を裏切ったが、雪辱の舞台へ万全の態勢を整えた。

 関係者の注目を一身に集める中、オルフェーヴルは坂路で4F52秒4~1F12秒2を余裕の手応えでマークして駆け上がってきた。並の馬なら絶好の時計、陣営から自然と笑みがこぼれるほどだが、手綱を取った池添は平然と振り返った。

 「体はもう仕上がっているので、何もしないで馬なりで上がってきました。いい感じの反応だったと思う」

 鞍上のアクションは馬の動きに合わせただけ。先行させたバーディバーディ(5歳オープン)に1馬身先着。だがMAXのスピードではなかった。全体的にゆとり、余裕が感じられた。前走時との違いを池添が指摘した。

 「前回は休み明け。今比較すると、気合が入りすぎていたのかなと感じる。気負いが抜けていい感じ。使った効果は凄くある」

 未知の3200メートルに挑む今回、課題は「折り合い」とジョッキー、トレーナーともに声をそろえるだけに、この精神面の余裕は頼もしい。

 前走・阪神大賞典は2周目3角で逸走。調教再審査を課せられた。池江師は「過去にレース後の逸走(新馬戦、菊花賞)はあったし、たまたまレース中に起きていなかった」との分析。入念に準備を積んで再審査は1回でパス。慣れないトラックコース調整の疲れが出た時期もあったが、すぐ立て直した。「レース中にクセが出ないよう何とか持っていけるかな。状態の良さが伝わってくるし、前走で期待を裏切ったファンの方への罪滅ぼしというか、汚名を返上したい」とトレーナーは手応えをつかんでいる。

 今年の最大目標に掲げる凱旋門賞(10月7日)には「レース後に結果、コンディションをみて登録する」との方針だが登録締め切りは5月9日。一発回答には勝利あるのみだ。池江師は力強く前を向いた。

 「どんなレースでも不安はあるもの。重圧、プレッシャーももちろん。でも今回は楽しみ、期待の方が大きい」

 背負うものの大きさを力に変え、タイトルとともに世界への扉を開く。その瞬間が刻一刻と迫ってきた。

 ≪調教再審査≫レース中に悪癖を出すなど、競走に支障があると認定された馬に課される。枠入り不良や出遅れなどゲート関連は発走調教再審査、レース中の斜行などは平地調教再審査で、阪神大賞典での逸走が対象となったオルフェーヴルは後者。本番と同じ騎手、馬装で馬場の中央を単走で走行。直線はいっぱいに追うことを条件に、逃避癖などが審査される。

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