安田菜津紀氏 安倍元首相の国葬に「法的な根拠があやふやなものを閣議決定で通してしまうと」

[ 2022年7月24日 12:42 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 フォトジャーナリストで海外、日本で貧困や災害、難民問題を取材している安田菜津紀さんが24日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。政府が22日、参院選の街頭演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相の国葬を、9月27日に東京・北の丸公園の日本武道館で実施すると閣議決定したことに言及した。

 費用は全額国費で負担。無宗教で簡素な形式とし、経費の算定を進める。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂元首相以来で、戦後2例目。葬儀委員長は岸田文雄首相が務め、名称は「故安倍晋三国葬儀」とする。当日は休日にせず、国民一人一人に喪に服すことも求めない。首相は22日、国葬に関し「さまざまな意見があることは承知している。丁寧に説明し、できるだけ多くの国民に納得してもらって行いたい」と強調。松野博一官房長官は費用について、記者会見で「物価情勢や新型コロナウイルス対策費も勘案し、厳粛で心のこもった葬儀を執り行うため真に必要な経費となるよう努める」と述べた。財源は2022年度予算の予備費を想定する。

 安田氏は「岸田さんは国葬について先日、民主主義を守るんだということを掲げてましたよね。でも私自身は民主主義って、例えば政治家や党に対して支持をしない人、投票しなかった人、そもそも投票する権利さえない人たちの声も含めて大切に向き合うことだと思ってきたので、そう考えるとむしろ国葬っていう選択って真逆じゃないかなと思う」と指摘。「法的な根拠があやふやなものを閣議決定で通してしまうということを常態化していく、これってもう法の支配ではなくて一部の人の支配を強化していく、つまり安倍政権下でずっと指摘されてきた構造的な問題をむしろ悪化させていくということでもあるんじゃないかということは危惧します」と考えを述べた。

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2022年7月24日のニュース