藤井叡王、叡王戦第2局は75手で連勝 タイトル戦昇格後過去4期の“叡王戦ジンクス”打破へ接近

[ 2022年5月15日 20:56 ]

第7期叡王戦5番勝負の第2局終了後、出口若武六段(右)と感想戦を行う藤井聡太叡王(提供・日本将棋連盟)
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 藤井聡太叡王(19)=王将、竜王、王位、棋聖含む5冠=が出口若武六段(27)を挑戦者に迎える第7期叡王戦第2局は15日、名古屋市で指され、千日手指し直しの末、藤井が75手で勝った。対戦成績を2勝とし、初防衛に王手。叡王戦がタイトル戦に昇格して以降の過去4期、いずれも上座に座る棋士が敗退し、まだ防衛がないジンクスの打破へも接近した。

 「途中失敗した。千日手は仕方ないのかなと思った」。74手での千日手成立後、30分の休憩を経て再開した指し直し局。藤井にとっては一昨年7月以来約2年ぶり、タイトル戦では31局目で初めての千日手だった。

 「踏み込んでいったがリスクの多い指し方だった」。終局後、振り返った29手目、敵陣への角の打ち込み。「見落としてしまった。もう少し粘る順があった気がした」と出口を嘆かせた機敏な決断が、連勝を引き寄せた。

 「内容をしっかり振り返って次につなげたい」。昨年8月、王位戦第5局以降のタイトル戦での連勝も12に伸ばし24日、千葉県柏市での第3局を見据えた。

 第3期から毎年、政権交代が起き、新叡王の誕生が続いた。持ち時間4時間の1日制。考慮時間が1分未満切り捨てにならず、全て加算される短期決戦が理由と見られる。
 それでも、藤井なら。そう思わせる、自在の指し回しだった。

 ○…名古屋コーチン親子オムライスが提供された昼食以外では、午前10時のおやつが話題を集めた。叡王戦主催の不二家からの提供で、藤井が「コロコロくまさん」、出口が「コロコロしばちゃん」。くまさんはチョコレートのカップケーキ。しばちゃんはキャラメルクリームのカップケーキで昨年の第5局、藤井が注文した。「チョコの味が前と違っておいしくいただいた」と支援に感謝した。

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2022年5月15日のニュース