町あかり 初主演映画「タヌキ社長」で着ぐるみと芝居 「うれしかった」

[ 2022年5月14日 08:30 ]

映画「タヌキ社長」のポスターの前で笑顔を見せる町あかり
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 【牧 元一の孤人焦点】シンガー・ソングライターの町あかり(30)が20日公開の映画「タヌキ社長」で初主演した。

 信楽焼たぬきの風貌の社長を愛する会社員役。初めて挑んだ本格的な芝居の相手が着ぐるみという異色体験となった。

 町は「突然、主演のお話をいただいて、最初は何の話か良く分かりませんでした」と振り返る。

 映画「いかレスラー」「コアラ課長」など不条理動物シリーズで知られる河崎実監督のコメディー作品。町が以前、河崎監督の映画「『干支天使チアラット』外伝シャノワールの復讐」などに関わったことが主演のきっかけだった。

 「『タヌキ社長』は見た目としては『何だ、これは!?』というのがありますが、台本を読んでみると、仕事熱心な社長と個性豊かな社員たちの心温まる話、勧善懲悪の話で、とても良い作品だと思いました」と話す。

 ほぼ未経験の演技に対する不安を河崎監督に打ち明けたところ、「大丈夫。歌を歌っている人なら、できる」と言われたという。

 撮影したのは昨年6月。現場で、着ぐるみのタヌキ社長と初対面した。

 「大きいし、モフモフでした。でも、台本を読んで『いい人だな…』と思って、大好きになっていたので、会えてうれしかったし、かわいかったです。中に入っているスーツアクターの方がその場で本当にセリフを話すんですけど、暑かったので大変だったと思います」

 自身は元々、映画ファン。特に、山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズが好きで、全50作の魅力をつづった著書「町あかりの『男はつらいよ』全作品ガイド」を4月に刊行している。

 「寅さんのマドンナたちの生き方に共感できるんです。彼女たちはそれぞれ問題を抱えていて悩みながら一生懸命に生きている。それを寅さんや寅さんの家族らが励まし、解決策を探って、幸せにしていく。マドンナたちは20代、30代なので、今の若い女性が見ても共感できる映画だと思います」

 今回の初主演作にも「男はつらいよ」シリーズに通底する部分はある。

 「ちゃんと働いているタヌキ社長は、寅さんとは正反対のような人物ですが、話が分かりやすく、良い人がいっぱい出て来て、見るとホッとするという部分は似ているんじゃないでしょうか」

 今後の女優業にも意欲満々。山田監督の作品に出演するのが「夢」という。

 ◇町 あかり(まち・あかり)1991年5月28日生まれ、東京都出身の30歳。2015年、アルバム「ア、町あかり」でメジャーデビュー。20年、初の著書「町あかりの昭和歌謡曲ガイド」を刊行。同年、初のカバーアルバム「それゆけ!電撃流行歌」を発売。他のアーティストへの楽曲提供や衣装制作、イラストデザインなど、幅広く活動中。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2022年5月14日のニュース