将棋の西川慶二八段が死去 60歳 将棋界初の現役親子棋士で元連盟理事 「日本一強い三段」

[ 2022年1月20日 16:21 ]

西川慶二八段(提供・日本将棋連盟)
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 将棋界初の現役親子棋士として注目された西川慶二八段が17日、死去したと日本将棋連盟が20日、発表した。60歳だった。息子で弟子の和宏六段(35)がプロとなる四段昇段を果たした2008年、現役だった西川八段だが、近年は病気療養のため対局がかなわず、昨年6月30日付で引退を発表。親子対局はついに実現しなかった。

 和宏六段は近親者のみで通夜、葬儀を終えた19日、延期を申し出ることなく大阪・関西将棋会館で棋王戦予選の対局に臨み、長沼洋八段(56)に85手で勝利した。

 西川八段は1961年、東京都品川区出身。賀集(かしゅう)正三七段門下で81年、四段昇段した。2018年、八段昇段し、07年から10年まで連盟理事を務めた。

 同世代で修業時代を共に過ごした連盟常務理事の井上慶太八段(58)によれば、幼少期に兵庫県へ引っ越した西川八段が神戸の繁華街・三宮の地下街での将棋まつりで、谷川浩司九段(59)と「天才少年対決」と題した席上対局を行った姿が印象的という。奨励会へ入会後の三段当時、対局で大阪へきた中原誠十六世名人(74)と練習将棋を指し、勝利。「原田泰夫会長が“日本一強い三段”とおっしゃったのを覚えています」と回想する。

 和宏六段が1級前後だった18、19歳当時、奨励会幹事だった井上九段は年齢、昇段スピードを考えると、「将来のプロ入りは難しいのでは?」と感じていたという。ところが西川八段は「四段になります」と断言し、実際に22歳でプロ入り。「倒れられてから一度もお会いできなかったのが残念です」と訃報に肩を落とした。

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2022年1月20日のニュース