永瀬2冠「緊張して手が震えた」 日本シリーズJT杯初出場で久保九段に勝利

[ 2020年8月29日 17:52 ]

9月5日生まれの永瀬拓矢2冠に、日本シリーズJT杯主催者から一足早い誕生日プレゼントとして「メロン」が贈られた
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 将棋日本シリーズ「JTプロ公式戦」の2回戦第1局が29日、東京都渋谷区のシャトーアメーバで指され、初出場の永瀬拓矢2冠(27)が104手で4年連続14回目の出場で過去2度の優勝経験を持つ久保利明九段(45)を破り、準決勝に進出した。

 憧れの舞台に“凱旋”を果たした。永瀬は2004年、小学6年生でテーブルマークこども大会準優勝。「和服を着て対局したことがすごく印象に残っています。(プロ公式戦は)子どもの頃からの憧れの舞台。緊張からなのか、少し手が震えた」と笑った。

 振り飛車党の第一人者の久保との対戦とあり、対抗系は「予想通り」。「序中盤は押され気味かなと思っていましたが、終盤に入って攻守を入れ替えることができたので逆転につながった」と一局を振り返った。

 両者は9月3日開幕の王座戦5番勝負でも対戦することが決まっている。「久保先生は自分がプロになる前から第一線で活躍されているので、当たれるということはこちらもステージが上がったということ。少し成長できているんじゃないかなと思う」と胸を張る。今後は叡王戦、王座戦のダブルタイトル防衛戦に加えて、初参加の王将戦挑戦者決定リーグの開幕も控えるなど過密スケジュールとも戦うことになるが、「最近、気温が下がった夜の時間帯に30分~1時間くらい歩くようにしている。効果があればいいなと思います」と体力作りにも余念がない様子だった。

 JT杯は渡辺明王将(名人、棋王との3冠)が2連覇中で、9月22日の2回戦・高見泰地七段戦から登場する。持ち時間各10分、切れたら1手30秒未満、考慮時間各5分と公式戦では最短。対局の途中で「封じ手」が入るのも特徴だ。例年、全国各地で公開対局として開催されるが、今期は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、開幕局から準決勝第1局までの9局がスタジオでの無観客対局で行われる。
 
 10月4日に行われる準決勝では、木村一基九段―斎藤慎太郎八段戦の勝者と激突する。

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2020年8月29日のニュース