「キン肉マン」連載休止…「3密」執筆環境で決断「今は“何もしない”のが最大の友情」

[ 2020年4月14日 05:30 ]

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、集英社「週刊プレイボーイ」は13日、同誌公式サイト上で連載中の人気ウェブ漫画「キン肉マン」を次回20日配信分から約1カ月休止すると発表した。作者コンビ「ゆでたまご」が、大勢のアシスタントを集めて作業する執筆現場が“3密”にあたると判断したため。作者やスタッフに感染者はいないという。来月18日に再開予定。

 「ゆでたまご」はこの日、公式サイトにコメントを発表。スタッフの中に高齢の家族と同居する人もいるとして「日々の通勤により、彼らスタッフとその家族全てに感染のリスクを負わせるのは忍びない」と、通勤時の感染リスクにも言及した。「大変申し訳ない気持ちもありますが、今はどうか、そのような私どもの判断にご理解を頂ければと思います」と謝罪した。

 同作は1979年、週刊少年ジャンプで連載スタート。人間を超越した“超人”たちによる格闘漫画で、アニメ版も大ヒットした。続編「キン肉マン2世」を挟んで2011年からウェブ漫画として再開し、毎週月曜日に更新していた。

 作者コメントでは、友情の大切さをテーマとする作品世界に重ね合わせて「今は日本のみならず世界の人たちが不要不急の外出を避ける。“何もしない”という行為を率先してやるのが最大の友情ではないかと考えました」とのメッセージも。「みんなの友情パワーでウイルスなんてぶっとばせ!へのつっぱりはいらんですよ!」と主人公・キン肉マンの決めぜりふで、読者に団結を呼びかけた。

 《「3密」そろいやすい制作現場》漫画制作の現場は「3密」がそろいやすいといわれる。漫画誌の編集者によると「細かな手作業が多く、紙資料が多いため換気しにくい」ため“密閉空間”になりがちだという。大勢のアシスタントが机を並べるスタジオは密集場所になる。「一般的に週刊連載を持つ漫画家には狭い空間で平均3~4人のアシスタントが常駐し、さらに外注スタッフが加わると多いところでは10人前後が集まることもある」(編集者)という。漫画家がアシスタントに指示する際などは“密接場面”も発生しやすい。ただ漫画制作の現場はデジタル化が進み、アシスタントと画像データをパソコンでやりとりしながら仕上げる漫画家も増えているが、ゆでたまごは「原稿用紙に直接執筆するスタイル」とコメントしている。

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2020年4月14日のニュース