「スカーレット」“憎めぬダメ親父”常治逝く…喜美子へ最期の言葉「ほな、またな」にネット号泣

[ 2019年12月25日 08:15 ]

連続テレビ小説「スカーレット」第75話。みんなでつくった器に盛りつけたマツタケごはんを常治(北村一輝・右)に渡す喜美子(戸田恵梨香・左から2人目)(C)NHK
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 女優の戸田恵梨香(31)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「スカーレット」(月~土曜前8・00)の第75話が25日に放送され、俳優の北村一輝(50)が熱演してきた主人公の父・川原常治の最期が描かれた。深酒や借金など“ダメ親父”ぶりが目立ったが、その奥にあったのは深い愛情。常治の最期の言葉に、インターネット上には号泣する視聴者が相次いだ。

 第75話は、病状が悪化して食も細くなった常治(北村)を元気づけようと、信作(林遣都)は父・大野(マギー)が昔、常治と約束したマツタケご飯をご馳走しようと考える。深夜2人で山へ向かう。一方、喜美子(戸田)が提案した常治へのプレゼント、家族の手作り大皿が完成。そこに信作たちがマツタケを採って駆け込んでくる。すると、ほぼ寝たきりだった常治が起き上がり、家族や友人を前にマツ(富田靖子)の幸せを願う言葉が…という展開。

 苦しそうな表情を浮かべるとおならを一発。一同をなごませた常治。その場を去ろうとした喜美子を「頭なんかついとる」と呼び止めて「こっち来てみ」と呼んだ。震える手で頭をポンポンと叩く仕草を繰り返した常治は苦しそうな息遣いで「ほな、またな」。そう伝えて力尽きた。

 SNS上には「おかしくて、だからもっともっと悲しくて。おやすみなさい、常治さん」「いやなんかもう泣けるな常治の為にみんなが…」「スカーレット、もう涙ポロポロ朝から泣いてしまった、お父ちゃん、、常治ロス」と常治の死を悼む声が続出。「頭撫でるのも素直じゃないから頭にゴミついてるなんて嘘ついて常治らしい」などその人柄に触れる声もあった。

 また、喜美子の頭をポンポンしてからの最期の言葉「ほな、またな」に対しては「心臓ギューなって息出来へん」「こんな、こんな頭ぽんぽん…ずるいやろ、常治」「ほな…またな…じょーじらしいな」と胸を締め付けられる視聴者が続出した。

 直後の同局「あさイチ」(月~金曜前8・15)の“朝ドラ受け”では、博多華丸(49)が「ファンデーション塗り直しですね…出勤前に」と涙にくれる視聴者を思いやると、博多大吉(48)も「まさかクリスマスの朝にこうなるとは…」としんみり。それでも、大吉が「あんなにマツタケ採れないですよ」と信作一家が持ってきたマツタケの量にツッコミを入れると、大吉が「あれを商売にするべきですよ、カフェを閉めてね」と応じて空気をなごませた。

 北村自身もインタビューで「一見すると、亭主関白で、酒ばかり飲んでいる自分勝手な父。借金もしたり、怒ったり、逃げたり、器の小さい男でもあり…いいことゼロですが、常治には『怒る』の裏側に深い愛情がある。愛情があるからこそ怒鳴ったり、愛情があるからこそ本気で怒れる、その絆が家族にも伝わっていて、根本には必ず愛がある。表面的には『もう常治という親父、いい加減にしろ!』と、たまに許せない部分もあると思いますが、常治の表面だけではなく、その人間性を奥深く感じ、家族を含めた周りの人たちとのやり取りも楽しんでいただければいいなと思います」などと語っていた通り、最後は憎めなかった。

 第71話(12月20日)も印象的。喜美子と八郎(松下洸平)の結婚を懸けた陶芸展の結果発表直前、2人が暮らす部屋が増築された。結婚に反対していた常治も内心、2人の幸せを願っていた。そして、八郎が陶芸展に入選(新人賞)したという朗報。川原家で宴が催された後の縁側。妻と娘3人に囲まれ、家族で男1人だった常治は「息子が欲しかったんや。喜美子、頼むな。頼みます」と八郎と酒を酌み交わした。

 第74話(12月24日)は、最愛の妻・マツと夫婦水入らずで思い出の加賀温泉へ最後の旅行。帰宅したマツは「もうアホなことばっかりしてな。お父ちゃん、頭にスリッパ乗せて踊ったり。温泉玉子温めてヒヨコにしたる言うたり。何十年分も笑かしてくれてた。アホや。強い痛み止め、飲んでんで。してあげられることないか、聞いたんよ。何回も。何もない、言われた。せやから、せやからできることは泣かんことや」と喜美子と百合子(福田麻由子)に語り掛け、視聴者の涙を誘った。

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