「いだてん」制作統括 「さまざまな困難」乗り越え「ぶれることなく」“完走”

[ 2019年12月16日 10:42 ]

大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(C)NHK
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 NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(日曜後8・00)の最終回(第47話)が15日、拡大版(60分)で放送された。制作統括部長の訓覇圭氏は「数多くの海外シーン、大規模なVFX、リアルなスポーツ表現など、新しい試みに満ちあふれた歳月でした」と撮影時を振り返るなどし、「できあがった全47話を心より誇りに思います」と心境を明かした。

 訓覇氏は「『いだてん』では、オリンピックを中心に日本の近現代史を描きました。それは大河ドラマで世界史を描く、という大きな挑戦でした。数多くの海外シーン、大規模なVFX、リアルなスポーツ表現など、新しい試みに満ちあふれた歳月でした」と回顧。放送期間中に出演者の不祥事などが相次いだが「道中、さまざまな困難はありましたが、スタッフ・キャスト・関係者の皆さまの支えのおかげで、無事に放送を終えることが出来ました。心より感謝いたします」と“完走”できたことに謝意を述べた。また「視聴者の皆さまからいただいた絶大な応援のおかげで、ぶれることなく『いだてん』の世界を守り通すことができました。できあがった全47話を心より誇りに思います。一年間、ありがとうございました!」と充実感を漂わせた。

 インターネット上の評価は高かったが、リアルタイムの世帯視聴率には結び付かず。第6話(2月10日)以降42回連続の1桁。2桁に浮上することは一度もなかった。全47話の期間平均(全話平均)も8・2%と大河ドラマ史上初の1桁。2012年「平清盛」と15年「花燃ゆ」の期間平均12・0%を大幅3・8ポイント下回り、大河ドラマ歴代ワーストを更新した。

 歌舞伎俳優の中村勘九郎(38)と俳優の阿部サダヲ(49)がダブル主演を務めた大河ドラマ58作目。13年前期の連続テレビ小説「あまちゃん」で社会現象を巻き起こした宮藤官九郎氏(49)が大河脚本に初挑戦し、オリジナル作品を手掛けた。来年20年の東京五輪を控え、テーマは「“東京”と“オリンピック”」。日本が五輪に初参加した1912年のストックホルム大会から64年の東京五輪まで、日本の激動の半世紀を描いた。

 勘九郎は「日本のマラソンの父」と称され、ストックホルム大会に日本人として五輪に初参加した金栗四三(かなくり・しそう)、阿部は水泳の前畑秀子らを見いだした名伯楽で64年の東京大会招致の立役者となった新聞記者・田畑政治(まさじ)を熱演。「昭和の大名人」と呼ばれる落語家・古今亭志ん生(1890~1973)を物語のナビゲート役に据え、志ん生役にビートたけし(72)、若き日の志ん生・美濃部孝蔵役に俳優の森山未來(35)を起用した。

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