五輪開催中の銀座“能”でおもてなし 「スペクタクル」に世界の人々へ伝統芸能発信

[ 2019年12月11日 05:30 ]

「胡蝶」のイメージ映像
Photo By 提供写真

 来年夏の東京五輪観戦のため来日する外国人客にも日本の伝統文化に触れてもらおうと、東京・銀座に本社がある大手映画会社の東映が「スペクタクル能」の上演を行うことを明らかにした。

 五輪開催中の来年7月28日から8月8日まで、映画館「丸の内TOEI(1)」で「神・鬼・麗 三大能∞2020」と題した公演を実施。文化面での“おもてなし”戦略として注目される。1960年オープンの同劇場は、東京23区内で64年に開催された前回の東京五輪を知る唯一のロードショー館だ。

 仕掛ける東映グループの岡田裕介会長(70)は「2020年夏、銀座が変わります。世界中の方々に素晴らしい伝統芸能を知ってもらえるよう尽くしたいと思います」と企画意図を本紙に説明した。

 正面と左右の3面にスクリーンを特設し、最先端のCGを駆使した映像を流して、伝統芸能の「能」と融合させる新感覚のエンターテインメント。幻想的で臨場感あふれる能舞台がお目見えする。

 上演されるのは定番の3演目。「神」は「高砂」、「鬼」は「紅葉狩り」、「麗」は「胡蝶」を表し、観客は40分の公演で3演目のハイライトシーンを体感できる趣向。1日6公演を予定している。

 監修に当たるのは観世流の観世清和家元(60)で「およそ700年前に観阿弥・世阿弥により大成された能が、東映の最新映像技術と融合し、世界に発信されます。どうぞご期待ください」とコメント。観世流のホープ坂口貴信(43)が演者を務める予定だ。

 《「高砂」など人気3演目》上演されるのは人気の高い3演目。「高砂」は住吉明神が健康と長寿をことほぎ、平安を祈るめでたい能。「紅葉狩り」は、美女が鬼となって平維茂を襲うが、神から授かった太刀で退治する内容。「胡蝶」は、チョウの精が夢で早春に咲く梅に出合い、喜び奏でる演目。3面のスクリーンに映し出される映像と演者が合体して立体的に描く。

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