「報道ステーション」世耕弘成氏VTR編集を謝罪「誤解を招く表現」「説明が丁寧では…」印象操作の批判に

[ 2019年12月11日 22:27 ]

テレビ朝日の社屋
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 テレビ朝日の看板報道番組「報道ステーション」(月~金曜後9・54)は11日の生放送内で、自民党の世耕弘成参院幹事長に関する前日10日のVTR編集について「世耕氏の『良いお年を』は桜を見る会とは直接関係のない発言。説明が丁寧ではなかった」「誤解を招く表現」と謝罪した。世耕氏は10日夜、自身のツイッターで「今夜の報道ステーションの切り取りは酷い。印象操作」と報ステのVTR編集を批判していた。

 メインキャスターの富川悠太アナウンサー(43)が「昨日、桜を見る会のニュースの中でVTRの最後に、自民党の世耕参院幹事長が『良いお年を』などと発言した様子をお伝えしました。これは定例記者会見が終わった後の世耕氏の発言で、今後の会見予定について述べたものでした。桜を見る会とは直接関係のない発言で、放送ではその説明が丁寧ではありませんでした。誤解を招く表現につきまして、世耕氏並びに視聴者の皆さまにおわびいたします」と説明、謝罪した。

 問題となったのは、番組開始30分頃からの「桜を見る会」のニュース。政府は10日、「(招待者名簿のデータを)復元することは考えていない。(公文書をすべて)デジタル化し、永久保存管理すべきとは考えていない」「(招待客として問題視された)反社会的勢力はその形態が多様であり、社会情勢に応じて変化し得るものであるから、限定的・統一的な定義は困難だ」とする2つ答弁書を閣議決定をしたと報じた。

 立憲民主党・枝野幸男代表の「桜を見る会問題について、安倍総理は一言も何の説明もしていない」、共産党・小池晃書記局長の「私は今度は逃げ切れないと思いますよ。将棋で言えば完全に詰んでいる」という野党コメントを挟んだ後、菅義偉官房長官の「国民の皆さんに説明しきれない問題点が指摘されているわけですから、そこを中心に理解を頂けるような対応を取っていきたい」という記者会見映像を流した。

 そして「ただ政権幹部とは対照的に、与党内は早くも“年越し”ムードが」のナレーションの後、世耕氏の「(総理は)説明できる範囲はしっかり説明をした」「(石井準一幹事長代理の「年内の定例会見はいつまでやるんですか?」に)えっ?もう『良いお年を』というか…(笑)」という記者会見映像が続いた。

 スタジオに画面が切り替わり、メインキャスターの徳永有美アナウンサー(44)はVTRを受け「これだけ納得できないという声が上がっているのに『良いお年を』迎えられませんよ、という気持ちになってしまうんですけれども」とジャーナリストの後藤謙次氏(70)に水を向けた。

 後藤氏の「今日の閣議決定で、もう打ち止めだということを言いたいんでしょうね。しかし、そうは問屋がおろさないということだと思います」などというコメントの後、徳永アナは「年は簡単には越せないですし、年を越しても忘れたくないですね」と締めた。

 一連の放送の後、世耕氏はツイッターで「今夜の報道ステーションの切り取りは酷い。私は定例記者会見が終わった後、今日の会見が今年最後になるかもしれないという意味で『良いお年を』と言っただけなのに、それを桜を見る会をと絡めて、問題を年越しさせようとしているかのように編集している。印象操作とはこのことだ」「今日の世耕の会見の『総理は十分説明した』というコメントと、会見終了後に今年最後の会見の可能性があるので『良いお年を』と言ったことは時間的にも、文脈的にもつながっていない。なのに報道ステーションは『総理が説明したから、良いお年を』という風につなげて編集している。印象操作」などと当該シーンの動画もアップするなど“怒りの4連続投稿”。

 一夜明けた11日も、ツイッター「昨夜の報道ステーションで取り上げられた、私の定例記者会見の正確な流れをお伝えしておきます。朝日新聞から桜を見る会について質問があり、私が応答(この部分が報ステの私の前半映像)後、憲法、解散、NHK人事、宿舎家賃等7問の質問と応答があった。その後、司会役の石井幹事長代理が『他にありませんね。特にないようですので、これで記者会見を終了といたします。ありがとうございました』と宣言。私と末松国対委員長が『ありがとうございました』と挨拶して会見が正式に終了。その後は私、末松委員長、石井代理と記者の雑談(何とカメラは回っていた)。石井:(記者会見を)いつまでやるのですか、私:もうよいお年をというか…来週はある?記者:記者懇は?私:まだ決めていない(その後は略)。お分かりいただけるように、脈絡の異なる話を無理につなげて編集し、しかも後段は会見終了後の映像を使用している。酷い編集だ」と説明。再度、報ステの編集を批判した。

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