柏木由紀子、再婚しなかった理由を語る 夫の坂本九さんは「私にとって大きい、存在が大きい」

[ 2019年8月8日 23:02 ]

71年12月8日坂本九さん(左)と結婚した柏木由紀子
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 34年前の「日本航空123便墜落事故」で帰らぬ人となった国民的歌手の坂本九さん(享年43)の妻で女優の柏木由紀子(71)が8日放送のフジテレビ「直撃!シンソウ坂上」(木曜後9・00)に出演、MCの坂上忍(52)から「なぜ再婚されなかったのか?」と聞かれ、「(夫は)私にとって大きい、存在が大きいから」と、その理由を語った。

 この日は「歌手坂本九特集」と題し、「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」などのヒット曲を残した坂本九さんの素顔に迫った。

 自宅で坂上の直撃インタビューを受けた柏木は、結婚のなれそめを聞かれると、2枚のメモを取り出した。撮影スタジオで初めて会った時、坂本さんから台本の切れ端に電話番号を書いた1枚のメモを渡された柏木だったが、連絡はしなかった。その1年後、再び、坂本さんの楽屋で再会すると、「ちょっと待って」と再び、電話番号を書いたメモを渡されたという。それをきっかけに交際をスタート、1971年に2人は結婚する。

 2人の娘に恵まれた。娘2人がパパを取り合うと、そこに柏木も加わったという。「家ではモテモテで『これが銀座だったら…』と言ってました」

 「母の日」には坂本さんから「マイ由紀子」という曲をプレゼントされたという秘話も披露したが、「照れてる?」と坂上に指摘され、恥ずかしそうにしていた。子供たちが寝たあとに2人はデュエット曲もレコーディングしていたという。歌詞の途中で、「好きさ」「好きだ」「好きさ」とリフレインするラブラブぶり。スタジオに出演したお笑いタレントの小峠英二(43)は「夫婦の夜の営みがデュエット。どういうジャンルのいちゃつきだよ」とうらやましそうにツッコんでいた。

 だが、こんな幸せなファミリーを予想もしない悲劇が襲う。1985年8月12日、乗客乗員524人のうち520人が死亡した「日本航空123便墜落事故」。

 事故直後から柏木は気丈にも取材や会見に応じたが、家族にとって大黒柱を失った衝撃は計り知れなかった。「パパのパの字も話さない。テレビのニュースをだれも見ない、何年も…」

 残された家族の苦悩と葛藤。

 これを救ったのも夫、坂本九さんの名曲だったという。
 坂本さんが事故に遭う数時間前に、ラジオの公開収録に参加し、「心の瞳」という曲をメディアで初めて歌っていた。
 坂本さんは「いい曲が出来た。由紀子が聞いたら泣いちゃうよ。僕たちの歌みたいなんだ」と話していたのを覚えているという。

 事故の3週間後、ラジオでこの歌が流れ、ある音楽教師が翌年の卒業式の合唱曲に使ったところ、瞬く間に全国に広まった。メディアで1度しか歌われなかった曲が、ブームを巻き起こしたのだ。そして、柏木のもとには全国の小中学校から「励ましの手紙」が届くようになった。

 事故は今も「生々しく、思い出すと辛い」(長女)が、父の、そして夫の曲が家族に生きる勇気を与えてくれた。

 最後に坂上が「失礼かもしれませんが、再婚されてませんよね、それっていうのは…」と尋ねると、柏木は「やっぱり大きい、存在的には大きい、大きいですね」と答えた。

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2019年8月8日のニュース